寒暖差が厳しいこの季節。普段より肌のコンディションに不安定さを感じている人も少なくないのではないでしょうか。ユーグレナ(東京都港区)のバイオナチュラル・スキンケアブランド「NEcCO(ネッコ)」が、30〜70代の女性1000人に肌に関する調査の結果と、エルムクリニック麻布院の院長で美容皮膚科医の横山歩依里さんの解説も紹介しています。

 調査によると、「季節の変わり目に、いつも以上に肌の“テカり”や“ベタつき”を感じることがある」という女性は38.1%おり、3人に1人が感じているということです。「その理由が何かを自分でわかっているか?」という質問では63.3%の人が「わかっていない」と回答。多くの女性がこの時期の肌に感じる“テカり”や“べたつき”の理由について心あたりがないということです。

 同社は「初夏に“テカり”や“べたつき”を感じる人は、実は知らない間に肌表面ではなく肌の奥が乾燥してしまう『インナードライ』を起こしている可能性」があるということです。
 横山さんは「インナードライ」について「理想的な肌の状態とは、水分保持能力があり、皮脂が少なく表面がベトついていない状態ですが、その対極にあるのがインナードライを起こしている状態」と説明しつつ、「皮脂分泌量が多いけれども、皮膚の中は乾燥している状態を指します」と言っています。

 インナードライかどうかの見極め方については「Tゾーンを中心にべたつきやテカりを感じる“脂性肌”のような皮脂の目立つ見た目であるのに、顎下まわりのUゾーンだけはカサついている、または、洗顔後すぐに乾燥による突っ張りを感じるならば、インナードライである可能性が高いといえます。それに対し、Uゾーンを含めて顔全体にベタつきを感じる、洗顔後にすぐに皮脂が分泌されてくるという実感があるのが脂性肌の特徴といえます」とコメントしています。

 また、インナードライを起こす原因については「皮脂の取りすぎ」をポイントとして挙げながら、「洗浄力の強すぎるクレンジングを使用する、洗顔に時間をかけすぎるなど過度に洗顔しすぎてしまう、あぶらとり紙の多用、自宅やクリニックで必要以上にピーリングをしてしまうなどがインナードライの原因となることがあります」といい、「必要以上に皮脂を落としすぎることで、肌が『皮脂が少なくなっている状態だ!乾燥してしまう!』と勘違いして皮脂を過剰に分泌してしまうことで、肌の中は乾燥している一方で皮脂が過多になってしまうという状況が起こります。季節の変わり目に急に皮脂が出てきたと感じても、皮脂を落とそうと慌ててしまうのは禁物です」と話しています。

 さらに、「皮膚にメイクの汚れが残っていると皮脂と混ざり酸化してしまうのでメイク自体はしっかり落とすべきですが、皮脂を根こそぎ落としてしまわない刺激の少ないメイク落としで、かつメイクがしっかり落とせるものを活用しましょう。ベタつきやザラつきが気になるようであれば、マイルドな酸を使用したピーリングをクリニックの医師の判断で適切にしてもらうのもお勧めです」と語っています。

 次に「皮脂を気にしてオイル系ケアを避けるのはNG」と説明しつつ「インナードライを起こしている人はベタつきを気にして乳液やクリームを控えてしまうこともあるようですが、これは逆効果。乳液やクリームなど油分でカバーをしっかりして、水分の蒸発を防ぐようにしましょう。また、スキンケアは、素肌と同じpHが5.5〜6.5程度の弱酸性のものがお勧めです。特に、化粧水をたっぷりとつける前に、オメガ3やオメガ6などの人肌のpHに近いといわれるオイルを使ったブースターを使用して角層を柔らかくし、肌の中まで保湿液が入りやすくするとよいでしょう」と説明しています。

 そして、SPF50、PA++++などの紫外線ブロック効果の高いUVベースなどをメイク前に必ずつけるようにし、「紫外線ダメージ」から守ること、ホルモンバランスを崩さないように、ストレスを緩和してくれる香りのスキンケアで心を整えるのを習慣化すること、肌の保湿機能を下げないよう十分な睡眠をとること、ターンオーバーを促進して皮脂分泌をコントロールしてくれるビタミンB群(B2、B6、B12)、ビタミンCを摂取すること、肌細胞を作るたんぱく質のもととなるアミノ酸をプロテインなどでとり、腸内環境を整える乳酸菌入りの食品や発酵食品も食べるようにすることが大切だと言っています。