親は「やってみたら」と促すのがコツ

親:「学校から帰ってきて、勉強とかやる気って起こる?」(子どもの気持ちを言葉にして表現する)

子ども:「起きない」

親:「だよね。普通、いきなり勉強はやれないしね。でもやる気になるような方法があるみたいよ」(聞きたくなるような表現で終える)

子ども:「へ〜、どんな?」

親:「それね、勉強のような勉強じゃないようなことからやるらしいのよ」(初めからたくさんしゃべらずに、さらに聞きたくなるように簡潔に伝える)

子ども:「どんなことやるの?」

親:「学校から帰ってきて、いきなり塾の勉強とか宿題とかやるのは大変でしょ。あまりやる気が起こらないよね。そこで、例えば、漢字の問題集を十分だけやるようにしたりするのよ。もちろん漢字が嫌いな場合は別のことでもいいんだけど。漢字って勉強の一種かもしれないけど、国語の問題をやるとか、理・社の暗記をするとか、算数の問題をやるよりも、漢字って軽い気持ちで入っていけるみたいね。で、その漢字を十分ぐらいやっていると、気持ちが勉強モードに切り替わっていくんですって」(漢字が嫌いという可能性もあるので、他にも方法があるという感じで話す)

子ども:「ほんとかな。僕は漢字は嫌いだ」

親:「漢字が嫌いなら、そこから入らずに、別のことから入ってもいいみたいよ。ようするに、やってみてもいいという作業から入ることがいいんだって」

子ども:「僕は算数の計算ならやってもいいと思う」

親:「じゃ、計算ドリルを10分することから1日の勉強をスタートさせてみたら〜」(「やりなさい」ではなく、「やってみたら」という促しにする。やるやらないの選択は子どもに任せる)

いかがでしょうか。このような会話で上手に子どもが「やってもいいかも」と感じるように話をしてあげるといいでしょう。勉強が嫌いでゲームがいいという子がいますが、「勉強の中で比較的やってもいいことから始める」というのがコツです。

【著者紹介】
石田勝紀
教育評論家。20歳で起業し、学習塾を創業。その後、中高一貫私立学校の常務理事に就任し、大規模な経営改革を実行するとともに教師の指導力を高める。講演会や企業での研修会は毎年150回以上にのぼる。教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授。