長年同じ家で生活していると、夫や父親が発する言葉にイラっとすることはあるもの。 それが原因で家族との会話が減ってしまっていることに悩んでいる男性もいらっしゃるのではないでしょうか? CBCラジオで5月18日に放送された『北野誠のズバリサタデー』では、『お父さんのための言いかえ図鑑 家族関係がすっきりポジティブに変わる』(笠間書院)の著者で、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事、産業カウンセラーの大野萌子さんが出演しました。

     

妻を怒らせる「カレーでいいよ」

大野さんはベストセラー『言いかえ図鑑』シリーズの著者で、この本では中年男性に向けて、言ってはいけない言葉を言い換えるだけで、夫婦や親子のコミュニケーションが楽になると解説されています。

特に夫婦は長年連れ添っていると、「言わなくてもわかるだろう」や「言っても仕方がない」という気持ちで会話がなくなったり、気持ちにすれ違いが起きやすくなったりするものです。

番組宛てのおたよりでもよくあるのが、ごはんを何にするか夫に尋ねると「そばでいいよ」や「カレーでいいよ」という返答にイラっとするということ。

この「で」という助詞が、「仕方ない」や「それなら簡単だろう」というニュアンスが入っているように感じられ、イラっとする原因となっています。

気を遣いすぎると逆効果

大野さんは相手との会話については思いやりが大事で、それは相手に受け取りやすい言葉を投げることだと語りました。

ただ、例えば妻に物を頼む時に気を遣い過ぎて、「良かったら時間がある時に」という言葉をつけたり、「〇〇してもらえたらいいんだけど」など、どんどん文章を付け足したり、言い方をやんわりしすぎると逆効果。

結局、物を頼んでいるのかいないのかわからず、結局、後で何もしていなければケンカに発展するということがあるので、注意が必要だそうです。

また、「手の空いた時に」などと付け足すと、「空いてることがあんまりないし!」と反発されるかもしれません。

そのため、大野さんは頼みたいことがあればシンプルに「〇〇をしてほしい」と頼み、もし難しい場合は代替案を提示するのが良いとアドバイスしました。

相談を受けた場合のベストな対応

仕事から疲れて帰ってきた時に部屋が散らかっていると、「なんで掃除ぐらいできないの?」と、つい言ってしまうことはないでしょうか?

できない理由を「なんで」と尋ねて追い詰めているのと、「ぐらい」と掃除の作業を軽視していることが読み取れます。

また「女性から相談された場合、具体的な答えを提示するのではなく、話を聞く方が良い」というアドバイスはよく聞きますが、実はこれにも注意が必要です。

男性は仕事上、回答を出さなければならない場面が多いためか、具体的な答えを出しがちですが、女性はそもそも答えを求めておらず、すでに自分の中で答えが出ていることに対して背中を押してほしいというのは、よく言われていることです。

ただ、ここで話を聞いている時に適当な相槌を打つと、「話を聞いていない!」とさらに反発を受けることも。

大野さんは返事に抑揚をつけるなど、「自分は話を聞いている」ということを伝えることが大事だと語りました。

『お父さんのための言いかえ図鑑』では、実際の言いかえ例が50個以上掲載されていますので、気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。
(岡本)