2月17日は、クリプトン・フューチャー・メディアが開発した2人目のバーチャルシンガーKAITOの発売記念日。 その18周年を記念して書き下ろし楽曲「マスネ・ゴシエイション」を制作したボカロP・Sohbanaさんが、2月23日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』に出演しました。 聞き手は清水藍と斉藤初音アナウンサーです。

     

スマホを手にニコニコ動画を巡回

まずは、Sohbanaさんとボカロとの出会いについて。

Sohbana「高校受験に合格した次の日にスマホを買ってもらったんですけど、そこからニコニコ動画を観始めて。ずっとそこからニコニコばかり観てました」

既に中学生の頃からボカロは知っており、仲の良かった友達からぐるたみんさんのアルバムを借りることがあったといいます。

清水「ボカロを聴き始めた初期の頃に衝撃が走った曲はありますか?」

この質問に「タイガーランペイジ」(sasakure.UK feat. 鏡音リン)を挙げたSohbanaさん。

Sohbana「高校に入ると『山月記』(中島敦著)を習うと思うんですけど、ボカロ沼を掘っていくと、どこかでsasakure.UKさんにハマる時期ってあるはずなんです。
僕の場合、そこが一致してたんですよ。『山月記』の物語を曲にしたものとしていいなと思って」

「山月記」の主人公、李徴は自尊心が高くて謙虚ではないキャラクター。Sohbanaさんにとっては共感できるところがあり、思春期の心に刺さったと話します。

初音ミクを最初に買った理由

斉藤が質問したのは、Sohbanaさんが自分で音楽を作るようになったきっかけ。

Sohbana「軽音楽部に入ってて、ギターがそれなりに弾けたので部長だったんです。オリジナル曲を作ってて何曲かある状態だったんですけど、ボーカルの女の子が『ついて行けない』って辞めちゃって。
代わりのボーカルもいなかったので、バンドって面倒くさいなと思ったのがこの時でした。

ボカロPなら一人で完結するって知ってたので。大学に入ったらボカロPをやろうって思っていたのはあります」

清水「大学に入って、お金を貯めて少しずつ準備をしていったんですね。最初に買ったボーカロイドが初音ミクだった理由は?」

初音ミクを最初に選んだ理由を「一番オーソドックスだと思ったから」と答えたSohbanaさん。
当時名を馳せていたボカロPたちが使っていたこと、また初音ミクはいい意味で前に出て来ないところも選んだ理由だそうです。

昔の自分が心地いいと感じるか

楽曲を作る上でこだわっていることや、大切にしていることは?

Sohbana「作曲はその場でできることに任せるっていうことが、他のボカロPより大事にしていることだなと思います。
DTMをやる人の間でシェアされている『こうすりゃいい』『こうしたら音がよく聞こえる』ってのは横に置いておいて、自分が曲を聴いていた頃の感覚、中高生の頃どんなところに感動していたかな?って立ち返って聴くようにしてて。『中高生だった頃の自分が納得してくれたらそれでいい』っていうのをすごく大事にしている」

清水「ボカロで大事になって来るのは歌詞もだと思うんですけど…」

歌詞に使う言葉じゃないものを選ぶとのこと。参考にしているボカロPはDECO*27さんだそうです。

Sohbana「DECO*27さんは、一曲に一回は『それ聞いたことがない』っていう言葉が出てくる。言いたいことはわかる、けど存在しない単語だけど語呂はハマっていて、聴いていて気持ちいい言葉を使うところが、作者に転がされている感がして好き。そこを真似たいなっていう気持ちがあります」

この番組で以前、Sohbana さんの「TYQOON」をOAした時、どう発音していいかわからなかったと話す清水。

Sohbana「聞いてくれたらよかったのに(笑)」

その後もインタビューでは、KAITO18周年記念曲「マスネ・ゴシエイション」の話題が続きました。
(葉月智世)