「春眠暁を覚えず」―。中国の詩人の有名な言葉で「春の夜は眠り心地がいいので、朝が来たことに気づけず、つい寝過ごしてしまう」という意味ですが、この時期、安眠できない人も増えてきているといいます。
現在、大人の3割から4割が何らかの不眠症状を抱えていて、中でも女性に多いといわれています。みなさんはいい睡眠がとれていますか?
20代夫婦
「1日6時間寝ているかな。休みの日は8時間ぐらい寝ている。眠りの質を上げたいなと思って、ヤクルトとか飲んだりしていたんですけど。あと、枕を変えようかっていう話はしていた」
女子学生(19歳)
「バイトのあるなしによるんですけど。5〜6時間ぐらい寝ている。(眠りに対するこだわりとか工夫は?)全然ない。寝る直前までスマホ見るし」
50代男性(6時間睡眠)
「仕事とかでいろいろあっても、あした、またがんばろうっていう、その切り替えがたぶん、いいんだと思います」
30代男性(娘1歳と10時間睡眠)
「何も考えないことですね。仕事していても不安に思っても仕方ないじゃないですか。あしたは来るので、ただ、もう何も考えずに今を生きる。今は寝る。これだけです。そのあと酒を飲む」
20代女性(7時間睡眠)
「仕事が終わって気づいたら寝ているって感じです。携帯は寝る直前、あんまり見ない方がいいと聞くので、それはちょっと意識してるかもしれないです」
40代女性(6時間睡眠)
「アロマオイルを炊いたりとか、枕にラベンダーの香りがするのをシュッってした」
睡眠についてみなさん、工夫されているんですね。ゆめタウン廿日市の「Medical ONE」では、ことしに入り、快眠グッズコーナーが1.5倍に増えたそうです。
ゆめタウン廿日市 藤森豊 ライフスタイル店長
「今までの薬品会社だけではなくて、食品会社も力を入れて商品開発して、店頭に増えている。薬局に行ってお医者さんところに行って薬を飲むとかじゃなくて、手軽に手が出せるようになっていますので、評判はいいです」
売れ筋商品を紹介してもらいました。まずは、快眠サポートドリンク「ネルノダ」。こちらは、蒸気で目を温めるアイマスク「めぐりズム」です。入浴剤も香りがポイントだそうです。
さらに、寝具では…
ゆめタウン廿日市 藤森豊 ライフスタイル店長
「当店でオススメするのが、ヒツジのいらない枕。睡眠というと寝られなくて、羊が1匹、2匹、3匹と数えると思うんでけど、そのヒツジがいりません。中が空洞になっていて通気性がいい。あと低反発になっていて頭の形に沿うような形になるので、とても気持ちいい枕になっています」
おなじみの快眠サポートドリンク。そして、目を温めるグッズや入浴剤も香り重視なんですね。こちらが、ヒツジのいらない枕。通気性があって弾力もあるためそれぞれのアタマや首の形にフィットする。
値段は1万5800円〜2万2000円と少し高目ですが、枕もいろんな種類があって進化しているようです。
それでは、医療の分野ではどんな対応がなされているのでしょうか? 睡眠改善の専門家にお話をうかがいました。
「睡眠の改善を通して地域を笑顔にする」を理念に3年前に開業したクリニックです。
患者さんの眠れない理由の多くが、ストレスとスマホだそうです。
みんなの睡眠ストレスケアクリニック 山下英尚 院長
「(スマホは)光が近くて脳にすごい刺激になって眠れない原因になるということで、スマホは見てもいいけど、寝室では見ない、ベッドの中では見ない。スマホは終わって、寝室に入って寝ましょう」
ストレス対策には、軽く身体を動かすことも方法の1つだといいます。山下先生にクリニックですすめる不眠症対策を3つにまとめてもらいました。
まずは毎朝、同じ時間に起きるなど「生活習慣の改善」。毎朝、同じ時間に起床し、太陽の光を取り入れるなどです。
2つ目が「リラクゼーション」。これは、腹式呼吸や筋弛緩法などです。
そして、3つ目として症状が重く治療が必要な人には専門的な治療として「睡眠スケジュール法」があります。
みんなの睡眠ストレスケアクリニック 山下英尚 院長
「眠れないときはむしろ遅寝早起き。布団の中にいる時間を最低限にすることで、その時間がしっかり眠れるようになる(睡眠の質が上がる)」
睡眠時間が認知症や死亡にどう影響するかをアンケートした調査で患者さんに説明しているそうです。
みんなの睡眠ストレスケアクリニック 山下英尚 院長
「5時間から6時間寝ている人が一番リスクが低かったという報告です。眠れないのに遅くまで起きておけとか、早く布団から出ろみたいな説明をさせていただくので抵抗感があるんですけど、世界中で効果が実証されている治療です」
山下先生が唱える睡眠改善方法をおさらいします。
(1)生活習慣の改善
(2)リラクゼーション
(3)専門的な治療法ですが、睡眠スケジュール法。
眠れないときは無理して寝ようとあせらず、あえて遅寝早起きして睡眠の質を上げようというもの。確かに寝ないといけないと思うと、よけい目が覚めてしまいます。
山下先生は、快眠グッズも効果あるので自分に合うものをうまく活用してほしい。また、睡眠薬については効果はあるが依存性のものもあるので、専門家に相談してほしいとのことでした。