中国の飲料メーカー大手・農夫山泉が発売する緑茶飲料のパッケージが「日本にこびている」などとして物議を醸した問題で、騒動の余波が広がっている。

先日、農夫山泉が販売する茶系飲料「東方樹葉」のパッケージに描かれたイラストが「浅草寺の五重塔のようだ」とネット上で物議を醸した。また、その宣伝コピーも「中国の魏・晋時代を起源とする抹茶を、日本起源と説明している」などとして批判された。

同社はその後、「日本の建築ではなく、中国の寺廟建築をイメージした芸術創作。ボトル上の宣伝文も、日本の茶文化の起源は中国にあることを宣伝している」と説明。しかし、その後別のペットボトルのイラストが「日本のこいのぼりだ」と指摘されたり、同社のミネラルウオーターをトイレに流して捨てる動画が拡散されたりするなど、余波が拡大している。

9日には、男性がコンビニの女性店長に対して「私は愛国者だ。お前のところは日本の物を売っている。お前を軽蔑して何が悪い」などと言い放つ動画が拡散。店長が「日本の物がどこにあるのよ!?」と問い掛けると、男性は「あの農夫山泉はそうじゃないのか?」などと詰め寄った。

ただ、こうした行動は同国内でも冷ややかに見られているようで、ネット上では「どんどんおかしくなってるな」「無知の力」「新時代の義和団か?」「愛国教育がうまくいっているようだな(呆)」「弱そうな女性(店長)を狙って因縁を付けているだけ」「日本ブランドの店に行って騒ぎを起こす勇気はないんだな。その気があるならユニクロやトヨタに行って騒いでみよ」といった声が相次いだ。

ほかにも、「なぜ現代社会に愚か者がますます増えているのか。自分の生活もままならず、愛国の旗印の下に横暴な行動に出る」「社会の底辺にいる人間は容易に洗脳・扇動されるからな(笑)」「こういうやつらは自分たちが苦しいのは欧米日のせいだと本気で思っているんだ」「こういう極端な民族主義者はいるものだ。こんな環境では外資は来てくれない」といったコメントも書き込まれている。(翻訳・編集/北田)