中国の労働節(メーデー)の5連休(5月1〜5日)で今年は自然や文化のスポットなどを訪れる従来型の旅行に加え、B級グルメの堪能やマラソンやコンサートへの参加といった新たな旅行のスタイルが若者の間で浸透している。国営メディアは「休日の旅行消費の持続的成長を促すことになりそうだ」と報じた。

国営新華社通信によると、ご当地グルメは若者が旅行先を選ぶ上での重要なポイントの一つに躍り出ている。大手旅行サイト「馬蜂窩」のデータでは、「B級グルメ」が楽しめる目的地の人気度が上昇。メーデー連休のB級グルメ目的地のトップには、タニシビーフン愛好者の熱烈な支持で人気度を高めた広西チワン族自治区柳州市が輝いた。

グルメとともに美しい景色も楽しめる浙江省台州市、美食家の四川人も絶賛する四川省楽山市が僅差で続いた。麻辣燙で根強い人気の甘粛省天水市もトップ10入りした。各地の独特な美食文化は観光客に多様な消費の選択肢を提供しており、グルメ旅行はメーデー連休の主要な旅行スタイルとして定着している。


リアルのイベントが再び盛んになる中、コンサートや音楽フェスへの若者の熱意が高まっている。メーデー連休では音楽公演に合わせた旅行も盛んになっている。大まかな統計によると、連休中に全国各地で行われるコンサートや音楽フェスは100回以上。電子商取引(EC)大手アリババ傘下の旅行サイト「飛猪」のデータでは、連休中に音楽公演がある場所周辺の宿泊予約数は前年同期比で倍増した。

イベントへの参加を軸に密なスケジュールを組む人も多く、SNSでは「コンサートにはせいぜい2、3日やって来るだけだが、博物館を見学したり繁華街に遊びに行ったりすることもできる」といった書き込みが見られる。新華社は「音楽イベントで情熱と陶酔に身を任せ、現地の文化や風情を貪欲に味わう旅行スタイルは、ただスターを『追っかけ』ているというよりも、生活への愛を追求している姿というべきだろう」と伝えた。

メーデー連休中は各地で開かれるマラソン大会も相変わらず人気だ。5月5日に山東省済南市で開かれる「2024済南奥体ハーフマラソン」は受け付け初日に参加枠がすべて埋まってしまった。マラソンを走ればその街のことが分かる。ある都市がマラソン大会を開くということは有力なIP(知的財産)を形成することであり、その都市の物語や音、イメージを人々が知る重要な窓口をつくることでもある。 

ランナーはマラソンを走ることでスポーツ大会に参加するだけではなく、その都市が持つ風景や文化を体験できる。マラソン大会に参加しながら各地を旅しているランナーは「足を使ってその都市を『測量』し、現地の文化を感じることは私たちマラソン愛好家にとっても一味違う体験だ」と語った。(編集/日向)