蔚来汽車(NIO)は中国の新エネ車業界における象徴的なブランドで、商品力とブランド力のほかに、NIOが堅持している「バッテリー交換モード」も特色がある。

バッテリー交換に関する議論は絶えない。称賛者もいれば反対者もおり、このビジネスモデルの収益性に疑問を抱く人も多いが、バッテリー交換の利便性についてはほとんどの人が高く評価している。

かつてNIOの第2世代バッテリー交換ステーションでは3分で0%から92%まで急速充電できた(バッテリーを保護するため、バッテリー交換ステーションでは通常、満充電しない)。ステーションへの出入り時間を加えると、バッテリー交換の全行程の時間はわずか7分程度だった。

NIOのバッテリー交換ステーションは現在、第3世代に進化し、効率をさらに向上させている。バッテリーの数は13個から21個に増え、充電功率は50%向上し、800 V高圧電気構造と互換性があり、バッテリー交換時間はさらに短縮され、最短4分40秒で自動駐車からバッテリー交換までの全プロセスが完了できるようになった。

この充電効率はガソリン車の給油効率に匹敌し、現時点でどの充電スタンドも追いつけないレベルとなっている。

バッテリー交換は本当に便利で手間が省けるものなのか、NIOのバッテリー交換過程を最初から最後まで体験してみた。

まずスマートフォンで予約し、ナビゲーションでバッテリー交換ステーションに行く。スマホと車内のスクリーンで待ち時間を確認できる。


現場付近に到着すると、分かりやすい道路案内標識がある。


バッテリー交換ステーションは思っていたより広い。



まず指定された駐車スペースに車を停める。


自動駐車を開始。全過程で人的介入がない。


指定された位置に自動停止した後、画面で操作し、自動バッテリー交換を開始。バッテリー交換は車の底部から行われ、人的介入はまったくない。


バッテリー交換完了後、ステーションを離れる。全過程は4分41秒。全体的に非常にシンプルでスムーズな流れだった。

18年5月20日に最初のバッテリー交換ステーションが深センで落成してから、現在までに2000カ所以上建設され、1カ所当たりバッテリー込みで300万元(約6000万円)と計算すると、NIOが投入した資金は50億〜60億元(約1000億〜1200億円)に達する。

このような継続的な資金投入はNIOの継続的な損失をもたらす重要な原因の一つと考えられている。

NIOの新エネ車の早期保有量は大きくなく、初期の車主には月6回の生涯無料のバッテリー交換サービスを提供していたが、NIOは23年6月にこのサービスを廃止すると発表し、バッテリー交換は有料サービスとなった。


バッテリー交換に未来はあるのか、強い関心が寄せられている。(編集/CL)