2024年5月13日、韓国メディア・毎日経済は「中国国内消費者をターゲットとする中国ECサイト、タオバオ(淘宝網)とTmall(天猫)が韓国に進出した」と報じた。

韓国の流通業界によると、アリババグループは今年1月に「Taobao Tmall Korea Limited」を設立。本格的な活動を開始した。タオバオとTmallは中国内市場向けのECサイト。同じアリババグループのアリエクスプレス(AliExpress)の場合、韓国をはじめとする海外市場での中国製品の販売をサポートしているが、それとは異なり「中国や海外の販売者が中国の消費者に商品を販売する場」であると記事は説明している。ユーザー数は合わせて9億人に達し、年間流通取引総額(GMV)はそれぞれ900兆ウォン(約103兆円)以上と伝えられる。シナジー効果を高めるために22年に合併し、韓国に進出したのはその法人の韓国子会社だという。

流通業界では、中国内需市場向けECサイトの韓国進出はプラス効果とマイナス効果を同時にもたらしたと分析している。

プラス効果には、韓国の個人販売者と中小企業の中国販路拡大が挙げられる。中国内取引額基準でタオバオが1位、Tmallが2位という大手ECサイトだけに、韓国企業が中国内でより大きな機会を獲得できるものと期待される。しかし一方で、韓国ECの主導権がアリエクスプレスやTemuなどの中国ECサイトに奪われたのに続き、中国への直接販売の市場まで中国に握られることになるのではないか、韓国Eコマースの中国従属がさらに深刻化するのではないか、と懸念する声も多いという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「中国の経済浸食だ」「このままでは中国に全て占領されて韓国の中小企業は生きていかれなくなる」「中国は虎視眈眈(たんたん)と韓国本土を狙っている」「中国の人口は14億。どれだけ多くの販売者がタオバオにいると思う?。中国で製品を売ろうったって、中国愛国主義に阻まれる。機会なんて獲得できないよ」「中国は韓国企業に対して扉を閉ざして鍵を掛けている。なのに韓国は中国企業に扉を気前よく開放している…」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)