[上海/シンガポール 26日 ロイター] - 中国の一部の地方政府は25日、管轄区内の金融資産取引所を閉鎖する方針を示した。違法な資金調達を取り締まるほか、地方財政のリスク拡大を防ぐ。

湖南省、遼寧省、西安市、重慶市の各金融当局は25日、ウェブサイトに声明を掲載し、管轄区内の金融資産取引所の営業許可を取り消すと表明。金融規制の強化と金融リスクの解消が目的だと説明した。

また、個人投資家に対し「関連するリスクを特定・防止のうえで合法的な投資ルートを選択し、あらゆる種類の違法な金融活動に断固として抵抗する」よう求めた。

金融資産取引所は地元の国有企業が長年にわたって設立してきたもので、規制が緩い。当初は地元の金融資産を取引する場だったが、近年は、販売が禁止されている理財商品や地方政府の私募債の取引に利用されるケースが増えている。

国営メディアによると、今後さらに多くの金融資産取引所が閉鎖される見通し。政府系の証券時報は、業界筋・規制当局筋の話として、今回の金融資産取引所の閉鎖はこうした市場全体の終わりの始まりだと報じた。現在、国内にはこうした取引所が約30カ所ある。

一部の金融資産取引所は不動産開発会社の資金調達を不正に仲介したことが判明しており、中国政府は2021年に金融資産取引所の全国検査を開始した。

例えば、国内メディアの財新によると、不動産開発大手・中国恒大集団の理財商品部門は地方の金融取引所と提携して個人向けに投資商品を販売。資金繰りが悪化した地方政府の金融会社も、高利回りを求める個人投資家に直接、金融商品を販売していた。