Michael S. Derby

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は27日、最近の期待外れのインフレ指標が利下げを遅らせる根拠になっているとの認識を示した。

ニューヨーク経済クラブで行った講演で、「(現時点で)政策金利の引き下げを急がない」と指摘。最近のデータを基に「インフレ率を2%に向けた持続可能な軌道に乗せ続けるため、金利を現在の制約的なスタンスにおそらく従来の想定よりも長く維持することが賢明だ」と述べた。

ただ、利下げが選択肢にないわけではなく、インフレ率低下のさらなる進展が期待されれば年内の利下げ開始が適切になると説明。その確信を得るには数カ月間のインフレ指標軟化が必要かもしれないとしつつ、それまでは力強い経済がFRBに経済状況を評価する余地を与えてくれるとした。

利下げ開始の先送りは年内に金融緩和をどの程度行うかに影響するとの見通しを示し、「最近の指標を受け、全体の利下げ回数を減らすか、さらに利下げを先送りするのが適切だ」と語った。

一方、講演後のコメントで、利上げには非常に高いハードルがあるとし、「一段の金利引き上げを考えるにはインフレに劇的な変化が必要だろう」と指摘。FRBにとっての現下の問題はいつ利下げを始めるかだと述べた。

先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後にウォラー氏が政策見通しを示したのは初めて。

2月下旬時点でも利下げを急ぐ必要はないとの認識を示しており、2カ月程度は物価統計を確認する必要があると述べていた。

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