Scott Murdoch

[8日 ロイター] - 中国不動産開発会社の世茂集団は8日、15億7950万香港ドル(2億0175万米ドル)の債務を巡り中国建設銀行(アジア)から清算申し立てを受けたと発表した。

関係筋によると、15億7950万香港ドルの債務は中国建設銀行から世茂への直接融資や、同行が参画したシンジケートローンなど。

世茂の香港上場株は一時15%下げ最安値を付けた。

世茂は香港証券取引所への提出資料で「(香港高等法院への)申し立てはオフショア債権者や他の利害関係者の集団的利益を代表するものではない」との見解を表明。訴訟に反対し、約117億ドルのオフショア債務を6割減らすことを目指す再編計画を継続する意向を示した。

同社は先月、オフショア債務再編に向けた詳細な計画を発表していた。

同業の中国恒大集団と碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)に対してもそれぞれの債権者が清算を申し立てている。

中国建設銀行からは今のところコメントを得られていない。

上海を拠点とする世茂集団は2022年7月に10億ドルのオフショア債の元利払いが滞り、総額117億ドルのオフショア債がデフォルト(債務不履行)に陥った。

主要債権団は既に同社の債務再編計画に反対する姿勢を示している。関係筋によると、債権者が被る損失や前払いがないことが理由だという。

世茂集団は債務を再編するために債権者の75%以上(金額ベース)から承認を得る必要ある。主要債権者団は68億ドルに上る同社の未償還ドル建て債の25%超を占めている。