Kentaro Sugiyama

[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した4月の景気ウオッチャー調査で、景気の現状判断DIは47.4と、2022年8月(45.5)以来の低水準となった。円安を背景とした物価上昇が景況感を下押ししており、内閣府は景気判断を「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」へ下方修正した。引き続き能登半島地震の影響もみられるという。

現状判断DIは前月から2.4ポイント低下した。前月は景気判断を「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」としていた。今回、2カ月連続でDIが低下したことや、円安・物価高が幅広い分野に影響していることなどを踏まえて判断を引き下げた。

指数を構成する3項目では、家計動向関連DIは前月から2.8ポイント低下の46.6、企業動向関連は1.1ポイント低下の48.9、雇用関連は2.5ポイント低下の50.0となった。

回答者からは「円安を受けた値上げの影響が大きい。一つ一つは小さな値上げだが、家計への影響が大きいことを消費者は重く受け止めている」(東海=ワイン輸入)、「円安が一段と進んでおり、材料等の価格高騰が深刻」(東海=パルプ・紙・紙加工品製造業)など、円安についてプラス面よりもマイナス面を指摘する声が多く出ていた。

先行き判断DIは48.5と、前月から2.7ポイント低下。内閣府は先行きについて「価格上昇の影響などを懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている」とした。

先行きも、円安を受けた値上げの影響を懸念する声が多い。「円安傾向が継続すれば、各種値上げとこれに伴う家計防衛により消費が減退することが大いに危惧(きぐ)される(四国=ショッピングセンター)、「海外原材料、商品の仕入価格が高騰しており、利益が圧迫されると予想される」(四国=食料品製造業)などのコメントがあった。

調査期間は4月25日から30日。