Humeyra Pamuk

[カイロ 21日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は21日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦や人質解放を巡りカタールの首都ドーハで行われている交渉について、「隔たりが縮まっている」と述べた。

エジプトのカイロで開いた記者会見で、「交渉担当者が取り組みを継続している。隔たりは縮まっており、われわれはドーハでの合意に向け働きかけを続けている」と指摘。「合意を達成するのは依然として困難を伴うが、私はそれが可能だとなお信じている」と強調した。

米国やカタール、エジプトが仲介する交渉は、約6週間停戦し、イスラエル人の人質40人をイスラエル拘束下のパレスチナ人数百人と交換する案を軸に進められている。

ハマスは恒久停戦が合意内容に含まれることが人質解放の条件としているが、イスラエルは一時停戦の協議のみに応じるとしており、これが難航の主因となっている。

イスラエル首相府は、対外特務機関モサドのバルネア長官が22日にカタールを訪れ、仲介国と協議すると発表した。

イスラエルは一方、ガザのシファ病院への攻撃を数日間継続する見通しと表明。ハマスの戦闘員が同院で活動していると主張しており、ここ数日の襲撃で戦闘員150人を殺害し、358人を拘束したとしている。

<国連安保理にガザ即時停戦決議案>

米政府は国連安全保障理事会にガザでの即時停戦を求める決議案を提出する。ロイターが確認した決議案は約6週間の「即時かつ持続的停戦が民間人の保護につながり、人道支援の搬入を可能にする」と記されている。

米国はこれまで即時停戦を求める安保理決議案に拒否権を行使してきた。

新たな決議案はカタールで行われている交渉やイスラエル人人質の解放、イスラエル拘束下のパレスチナ人の釈放にも支持を表明する内容。

安保理決議案の採択には理事国の賛成票9票以上に加え、常任理事国5カ国が拒否権を発動しないことが必要。