ロシア主要製油所を攻撃、ウクライナから1300キロ ドローン工場も
ウクライナは2日、前線から約1300キロメートル離れたロシア南東部タタールスタン共和国にある国内最大級の製油所を無人機(ドローン)で攻撃した。タネコ製油所、2017年撮影。(2024年 ロイター/Sergei Karpukhin/File Photo)
(ロイター)
攻撃を受けたのは、対ウクライナ戦争の前線から約1300キロメートル離れたタタールスタン共和国ニジネカムスクにあるタトネフチのタネコ製油所。生産能力は日量約36万バレルと同国第3位。
ロシア当局者は電子戦防衛システムがウクライナのドローンを撃ち落としたとしている。
ロシア通信(RIA)は製油所で火災が発生したが20分以内に消し止められ、生産に支障はないと報じた。現場の写真によると、ドローンがタネコ製油所の主要精製ユニットに衝突したとみられる。
同共和国のミンニハノフ大統領は、エラブガとニジネカムスクの企業が攻撃され、複数の負傷者が出たと述べた。
ロシアメディアによると、2機のドローンがエラブガ経済特区内の寮を攻撃し少なくとも7人が負傷した。
<イラン製攻撃ドローン製造施設を攻撃>
ウクライナ情報当局関係者はロイターに、ロシアの石油収入を減らす目的でタタールスタンの主要製油所を攻撃したと述べた。イラン製攻撃ドローン「シャヘド」の製造施設も自国製ドローンで攻撃し「かなりのダメージ」を与えたと語った。
米紙ワシントン・ポストは昨年、エラブガ経済特区の工場でドローンが量産されていると報じている。
ウクライナは数カ月前からロシアの製油所にドローン攻撃を仕掛けている。ロイターの試算では、攻撃で製油能力が14%程度失われている。