[モスクワ 2日 ロイター] - ロシア南東部タタールスタン共和国にある国内最大級の製油所が2日、ウクライナの無人機(ドローン)の攻撃を受けた。ロシアメディアによると、製油所では火災が発生したがまもなく鎮火し生産に支障はないもよう。

攻撃を受けたのは、対ウクライナ戦争の前線から約1300キロメートル離れたタタールスタン共和国ニジネカムスクにあるタトネフチのタネコ製油所。生産能力は日量約36万バレルと同国第3位。

ロシア当局者は電子戦防衛システムがウクライナのドローンを撃ち落としたとしている。

ロシア通信(RIA)は製油所で火災が発生したが20分以内に消し止められ、生産に支障はないと報じた。現場の写真によると、ドローンがタネコ製油所の主要精製ユニットに衝突したとみられる。

同共和国のミンニハノフ大統領は、エラブガとニジネカムスクの企業が攻撃され、複数の負傷者が出たと述べた。

ロシアメディアによると、2機のドローンがエラブガ経済特区内の寮を攻撃し少なくとも7人が負傷した。

<イラン製攻撃ドローン製造施設を攻撃>

ウクライナ情報当局関係者はロイターに、ロシアの石油収入を減らす目的でタタールスタンの主要製油所を攻撃したと述べた。イラン製攻撃ドローン「シャヘド」の製造施設も自国製ドローンで攻撃し「かなりのダメージ」を与えたと語った。

米紙ワシントン・ポストは昨年、エラブガ経済特区の工場でドローンが量産されていると報じている。

ウクライナは数カ月前からロシアの製油所にドローン攻撃を仕掛けている。ロイターの試算では、攻撃で製油能力が14%程度失われている。