Nette Noestlinger

[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州議会は10日、EUの移民・難民受け入れの枠組みの改正案を承認した。

加盟国国境における難民認定手続きの迅速化や、難民申請が認められない人々の送還を拡大することなどが盛り込まれ、イタリアなど移民・難民希望者が最初に到着する国と、比較的財政が豊かなドイツなどの国の負担をより公平にする。

欧州委員会のヨハンソン委員(内政担当)は改正案によって「国境の守りが強化されると同時に、弱者や難民の保護が進み、滞在資格のない人々は速やかに送還され、加盟国は果たす義務の面で団結する」と説明した。

6月の欧州議会選で極右勢力の躍進が予想され、こうした勢力が移民抑制を求めている中で、現在多数派の中道側が対応を迫られて今回の改正案を打ち出した形だ。

ただ極右勢力は移民を阻止するには不十分だと批判。左派からも、重大な人権侵害だと反対の声が出ている。