Trevor Hunnicutt

[22日 ロイター] - ロシアに対する中国の支援抑制を目指す米政府が、中国の一部銀行に対する制裁措置について予備的な協議を行ったものの、当面は実施する計画はないと、米高官がロイターに明らかにした。

同高官は、外交交渉によって制裁を回避できることを期待していると述べた。ブリンケン米国務長官は今週、中国を訪問する予定。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は22日、米政府が、中国の一部銀行を国際金融システムから締め出す制裁を策定していると報じた。中国がロシアの兵器生産を商業面で支援するのを停止するよう促したい考えという。

ロイターはホワイトハウスと米財務省にコメントを求めたが、返答は得られていない。

ここ数週間、米高官は中国に対する圧力を強めており、軍事用にも転用できる製品の貿易を後押しする中国の金融機関に対応する用意があると警告している。ブリンケン氏は19日、中国がロシアに兵器の重要部品を提供することでウクライナ侵攻を支援していると非難した。

ドルへのアクセス遮断は、銀行の破綻を招く恐れがあるとして最終手段と見なされている。そうした措置が講じられれば、景気回復が遅れ債務が膨らむ中国にもリスクとなる。

米国はこれまで、イランの機関との関与などを理由に中国の小規模銀行に対して制裁を科したことがある。ただ、大手銀行への制裁については、世界経済や米中関係への影響を踏まえ慎重になっている。