Humeyra Pamuk Simon Lewis

[ワシントン 10日 ロイター] - 米バイデン政権は10日、イスラエルが米国が供給した兵器をパレスチナ自治区ガザで国際人道法上の義務に「反する」状況で使用したと判断するのは合理的との見解を示した。

しかし紛争の混乱のため、違反とされる行為に米国の兵器が使用された具体的な事例を検証できないとして、最終的な結論は見送った。

報告書は国務省がまとめた。民間人の被害に関する多くの事例を挙げたほか、イスラエルが当初ガザでの人道支援強化で米国に協力しなかったと指摘した。ただ、いずれの事例についても国際法違反があったのか断定できないとするなど、矛盾している部分がある。

「イスラエルが米国製の防衛装備品に大きく依存していることを踏まえると、国際人道法上の義務や民間人被害を軽減するための最善の方法に反する形で、国家安全保障覚書(NSM─20)の対象となる装備品が10月7日以降、イスラエル治安部隊によって使用されたことがあったと判断するのは妥当だ」との見解を示した。

これらの装備品がガザ地区やヨルダン川西岸地区、東エルサレムで国際人道法または国際人権法に違反する形で使用されたかどうかを確認するための完全な情報をイスラエルは米国と共有していないと指摘。

そのため国際人道法に沿って米国の兵器を使用するというイスラエルの保証は依然として信用できるとした。

人道支援活動家が殺害された事例や保護地域で軍事作戦が行われた事例もまとめたが、米国の兵器が使用されたかどうかについて明確な結論を出すことはできなかったとしている。

バイデン米大統領が先月初めのネタニヤフ・イスラエル首相との会談で、人道状況が改善されなければ武器供給の一部を停止すると警告した後、イスラエルが援助物資の輸送を改善するために行動してきたと評価した。

またイスラエルが調査を行い違反者の責任を追及する限り、個々の違反行為は必ずしも同国の国際人道法へのコミットメントを否定するものではないとした。