熊本県が改善したいと考えている「3.8」という数値。
これは2021年の熊本県の婚姻率(※)。厚生労働省「人口動態統計」によると、熊本県は常に全国平均を下回っていて、令和に入るとさらに数字が落ちています。
※婚姻率…年間の結婚件数を人口で割った数値
そこで、熊本県が婚姻率上昇のために始めたユニークな取り組みを取材しました。
豪華ランチがタダ!?
きれいに盛り付けされたステーキやオードブル。
「うん、美味しい」
熊本市内のホテルでランチを楽しむのは、結婚して1年目の下山さん夫婦です。
1人前4000円相当の豪華なランチを食べ終えると…。
「こちらでお願いします」
「はい、確認しました、ありがとうございます」
会計で見せたのはスマートフォンの画面、料金の支払いはありません。※ブライダルフェア・婚礼説明会への参加が条件
これが県が始めた婚姻率上昇の一手です。
熊本県 子ども未来課 西名史織さん「『まりっくまパスポート』と言いまして、新婚のご夫婦や結婚を考えている方々が、お店や施設で様々な特典・サービスを受けられる取り組みです。結婚したい方や結婚してすぐの方を応援する機運を社会全体として作っていきたいと思って取り組んでいます」
『まりっくまパスポート』を利用するには、熊本県のサイト「hapiモン」に名前やメールアドレスなどの登録が必要ですが、婚姻届けなどの証明書は不要です。
このユニークな取り組み、現在県内の300以上施設で利用できます。
KKRホテル熊本 中田遥菜さん「コロナ禍で結婚式が減ってしまったので、取り組みの中で結婚式を挙げるお客様が増えればといいなと思います」
結婚を前向き捉えてもらおうと始まった「まりっくまパスポート」。対象のお店はブライダル以外にも様々でエステや整体院、眼鏡店や畳店など幅広い業種が参加しています。
現在の登録は約580組。参加しているお店も年々増えているそうですが、 サービスの利用をしている人はまだ少ないそう。
パートナーとの思い出づくりや生活の助けになる取り組み、ぜひ気になった人は「まりっくまパスポート」で検索してみてください。