「島の戦後見つめ直す」 阿波根さん写真展 沖縄
写真展のキュレーターで東京工芸大学准教授の小原真史さんがトークイベントの司会を務めた。小原さんは、島の記録者、ジャーナリストとしての阿波根さんの写真の特性を説明し「力のある米軍にイメージを占有されないよう、写真で記録することで住民を守る役割も果たしてきた」と指摘した。
玉城さんは、米軍占領地で農作業中に逮捕、連行された住民らを迎えに行った家族の写真を示して逸話を披露。「家族は『父さんたちは働き手。代わりに私たちが牢屋(ろうや)に入る』と嘆願に行っていた。写真展の開催を通じて初めて知ったことだ。島の出来事を連綿と阿波根さんは撮っていた」と話し、写真の持つ意味を振り返った。
反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」を阿波根さんと共に建設した謝花悦子さんもあいさつ。「阿波根昌鴻の闘いの歴史がここまで評価され、公開されるとは夢にも思っていなかった」と関係者、参観者へ感謝した。
この日は330人が来館。会場は満席となった。阿波根さん所蔵の3千枚以上のネガから高精細化したデジタルプリント約350点を展示している。5月6日まで開催されている。
(斎藤学)