西九州自動車道の盛り土を横断するために造られたトンネル=伊万里市脇田町

 伊万里市脇田町の脇田交差点から北へ約1キロの県道沿いに、奇妙なコンクリートの建造物がある。高さ10メートル、幅15メートルのアーチ型のトンネルが50メートルにわたり延びているのだが、それだけがぽつりとあって、周囲に何もない。異界への通路だろうか。

 実はここ、西九州自動車道建設のために土が盛られた後に、県道が横切るためのトンネルだそうだ。佐賀国道事務所によると、工事を進める伊万里東府招インターチェンジ(IC)−伊万里中IC(仮称)の4・2キロの間には、アーチ型と箱型の同じようなトンネルが12カ所できている。まだ増えるという。

 「工事中しか見られない光景なので珍しいとは思います」と同事務所の担当者。高速道の開通時期は未定で、しばらくは土に覆われることなくトンネルだけが立つ状態が続く。(青木宏文)