武雄温泉駅の施設について村子峰敏駅長(右)から説明を聞く参加者=武雄市の同駅

 武雄市の歴史や町の文化を楽しみながら学習する「学びの武雄ミニ博」が20、21の両日、武雄温泉駅南口の駅前広場周辺で開かれた。同市図書館・歴史資料館や県立宇宙科学館、武雄旅書店、武雄温泉駅などが協力して歴史教室や科学実験、鉄道に関する講座などを実施した。

 飲食店とギャラリーを併設する駅近くの「花頭窓の家・武ふく」では、武雄鍋島家に伝わる蘭学に関する歴史教室が開かれた。市図書館・歴史資料館の近藤貴子学芸員が、子ども向けに分かりやすく解説した。

 江戸時代後期に長崎警備の任務に就いた武雄鍋島領主・鍋島茂義が、出島から伝わるヨーロッパ文明に着目したことを紹介。「植物標本や航海術に関する道具を入手して研究していた。当時の武雄の人たちはすごかったということを知ってほしい」と話した。

 長崎県大村市から息子と参加した石平雅子さん(44)は「武雄にそういう歴史があったことを初めて知った。機会があれば子どもと一緒に学んでみたい」と関心を寄せていた。

 武雄温泉駅では村子峰敏駅長の案内で、切符券売機の裏側や線路を管理するシステムなどを見学した。駅職員の仮眠室では「起きる時間になるとベットの背もたれが自動で上がる」と説明を受け、参加者は驚きの表情を見せていた。(澤登滋)