絵本の読み語りを聞く児童=嬉野市嬉野町の吉田小

 本年度の「子どもの読書活動優秀実践校・園」に佐賀県内から2小学校と1幼稚園が選ばれ、文部科学大臣表彰を受けた。このうち嬉野市の吉田小(植松かおり校長)は、住民が学校に出向いて本の読み語りを続けており、学校と地域が一体となって読書を推進する取り組みが評価された。

 同校は、図書委員を中心に図書館の利用を促進し、地域や家庭と連携して児童が本に親しむ環境を整えている。地域住民による読み語りは2015年10月にスタート。毎月第2、4木曜の始業前の約10分間、学年別に絵本や本を朗読している。

 東京での表彰式後初の開催となった4月25日、児童は読み語りに熱心に耳を傾けた。絵本を読んで聞かせた福田雄大さん(40)は「子どもたちの反応が毎回楽しみ」と笑顔を見せた。本の内容を十分に理解した上で伝えており、宮﨑裕子さん(68)は「県が派遣する読み聞かせの講師を招き、スキルアップにつなげている」と話す。

 図書委員の児童も月2回、低学年を対象に読み語りをしている。6年の山口龍生君は「みんながもっと本を好きになるように頑張りたい」と話した。

 優秀実践校・園には日新小(佐賀市)と佐賀大附属幼稚園(同)、優秀実践図書館・団体として塩田図書館(嬉野市)、ありあけおはなしキャラバン(白石町)も選ばれた。(市原康史)