チームで協力して鈴が入った風船を打ち上げる佐賀県チームの選手=上峰中体育館

 佐賀県で10月に開幕するSAGA2024(国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会)を前に、全国障害者スポーツ大会オープン競技の「ふうせんバレーボール」が19日、上峰町であった。県民が誰でも参加できるデモンストレーションスポーツ(デモスポ)の「スポーツウエルネス吹矢」と的入れ「バッゴー」も同日、武雄市と鹿島市であり、年齢や障害の分け隔てなく汗を流した。

 

◆ふうせんバレーボール 障害あっても楽しめる

 上峰中体育館と同町体育センターで開かれた「ふうせんバレーボール」には、県内外から29チーム約300人が参加。優勝を争う選手権コースと、親睦を深めるふれあいコースに分かれて競った。

 競技は6人1組の対抗戦(15点先取)で、障害のある人とない人が一緒になってチームを組む。鈴が入った風船を使用し、全員がボールに触れて10回以内に相手コートにボールを返すのがルール。

 県勢は5チームが出場。車いすに乗った選手や視覚障害がある選手などはチームメートの補助を受けながら移動し、ボールにタッチ。床上ぎりぎりでボールを拾ったり、鋭いスパイクが決まると、ハイタッチをして喜びを分かち合った。

 ふれあいコースに出場した佐賀市の船津正弘さん(67)は「チームワークが重要な競技でリハビリにもなり、とても楽しい。障害があるから何もできないではなく、楽しめるスポーツはある。多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と話した。(井手一希)

 上位の成績は次の通り

 選手権コース (1)クラブマイケルきんぐ=大阪府(2)クラブマイケルやんぐ=同(3)和(なごみ)=佐賀県▽ふれあいコース (1)キャッツアイ=大分県(2)Happiness★=鹿児島県(3)絆(きずな)=佐賀県

 

◆スポーツウエルネス吹矢 息整え、鋭い一吹き

 「スポーツウエルネス吹矢」は武雄市のケーブルワン・スポーツパークであり、118人が息を整え、鋭いひと吹きで的を狙った。

 約30センチの円形に中心から7、5、3、1点の円が描かれている的を狙う。種別によって6、8、10メートルと距離は異なる。参加者は3分間に5本の矢を放つ競技を6回重ねて点数を競った。

 競技を始めて4年の江北町の柿塚好彰さん(74)は2回目に全て7点のパーフェクト。「後もよければいいけど…。久しぶりの大会だから頑張る」と笑顔で健闘を誓った。

 体験コーナーもあり、初体験した基山町の四十住(あいずみ)裕之さん(48)莉帆さん(7)親子は「思ったより少ない息で飛んだ。真ん中に当たってうれしい」と喜んでいた。(小野靖久)

 

 

◆バッゴー 世代超えた対戦に歓声

 鹿島市民体育館であった「バッゴー」には友人や家族など2人1組の48チームが参加。世代を超えた対戦が繰り広げられ、好プレーに歓声が飛び交った。

 お手玉のような「ビーンバッグ」を傾斜したボードの穴めがけて投げ込み、得点を競った。最年少の中島紬さん(明倫小1年)は「一度体験して楽しかったから参加した。またやってみたい」と笑顔。そろいのTシャツで出場した同市の中橋サツキさん(78)と吉原なつよさん(76)は、「世代を超えて交流できるのがよかった」と話した。

 4投すべてを穴に入れ、ハイタッチして喜ぶ高齢者の姿も。市内のジムトレーナー家永俊弘さん(34)は予選で涙をのんだが、「筋肉よりも集中力が大切な競技。いい汗をかけた」と笑った。(市原康史)