岩﨑俊消防長(右)から表示証を受け取る(左から)松本建設の松本和成代表取締役、釘本建設の栗原和也執行役員営業部長、笠原建設の古川保男取締役総務部長=唐津市消防本部

 唐津市は、地域の消防・防災体制の充実強化などを目的に、唐津市と玄海町の4事業所を「消防団協力事業所」に認定した。会社勤めの団員が約7割を占める中、消防団活動がしやすい環境づくりに取り組む事業所を認定することで、団員の増加などにつなげる。

 消防団協力事業所制度は消防庁が2006年に始め、従業員が消防団に入っていたり、活動に配慮した就業規定を設けたりしている企業や事業所を自治体が認定している。県内では23年度までに佐賀市、鳥栖市、伊万里市、有田町が制度化した。消防庁によると、23年4月現在、県内77の事業所が認定を受けている。

 唐津市は、従業員2人以上が入団▽災害時に必要な資機材を消防団に提供−など4項目の要件いずれかに該当する事業所を認定する。15日に笠原建設、釘本建設、松本建設(以上唐津市)、肥前新生社(玄海町)の4社が認定証の交付を受けた。肥前新生社は従業員が唐津市内の消防団で活動している。

 笠原建設では、全従業員の約5分の1に当たる15人が消防団員として活動。勤務中に団に所属する地域で火災などが発生し、要請があった場合は出動できる体制を取っている。

 交付式では、岩﨑俊消防長が「多くの消防団員が会社勤めをされており、(有事では)事業所の消防団活動に対する協力が大変重要になっている」とあいさつ。笠原建設の古川保男取締役は「今後も地場企業として全面的に協力していきたい」と話した。

 県は23年度、消防団員の確保などの観点から各市町に制度の導入を働きかけた。県消防保安室によると、すでに制度を導入している自治体を除く全市町が本年度中の制度設計に意欲を示しているという。(松岡蒼大)