島根県益田市が市民サービス向上を目指し今月、「書かないワンストップ窓口」の運用を始めた。本人確認書類を市民課窓口で提出すれば、住民票や児童手当など各種手続きが同課だけで完結する仕組み。たらい回しにされ、融通の利かない「お役所仕事」のイメージから脱却し、市民第一の姿勢を鮮明にする。

 窓口で必要な書類の種類を職員に伝え、マイナンバーカードなどの本人確認書類を提示すれば、職員が申請に必要な情報を聞き取って、申請書を作成。約5分で印刷が完了し、来庁者は内容を確認し署名するだけで必要書類を受け取れる。

 これまでは、転入や転居などの際に、まずは市民課で転入などの手続きをして、高齢者福祉課で介護保険証の住所変更を行うなど、複数の課を回って申請書を書く必要があった。新サービス導入で申請書への記入がなくなり、各課を回らなくて済む。

 市DX推進課の岩井加恵課長は「今回の運用開始はあくまでスタートで、今後も市民の声を聞きサービス向上に努める」と話した。

 「書かない窓口」は、島根県内で松江市や安来市などが導入している。