衆院島根1区補選に立候補を予定する自民党新人で元中国財務局長の錦織功政氏(54)の事務所開き式典が20日、松江市学園南1丁目のくにびきメッセであり、約300人が必勝を誓った。

 補選を巡っては、野党は共産党が公認候補を取り下げ、立憲民主党の元職で一本化。衆院3補選のうち唯一、事実上の与野党一騎打ちの構図となる見込みになっている。

 自民県連所属の国会議員や県議らを前に、錦織氏は「野党に古里の発展を任せる訳にはいかない。逆風に打ち勝ち、勝利を喜び合える日がくることを強く願っている」とあいさつ。青木一彦参院議員(鳥取・島根合区選挙区)は「大変厳しく、今日のような嵐が続く。私も先頭に立って戦う」と訴え、細田重雄県連会長は「(細田博之氏への)弔いの気持ちを持って戦う。相手候補が共産党の支援を受ける以上は、連合、労働組合との連携を模索していかないといけない」と述べた。

 舞立昇治参院議員(鳥取・島根合区選挙区)は「島根から党を立て直すという気構えでやっている」と強調。三浦靖参院議員(比例)は「(錦織氏は)世間の厳しい声にさらされながら、地方のために戦おうとしている」と訴え、高見康裕衆院議員(島根2区)は「今まで通りの党ではない。原点に立ち返り、生まれ変わる」と誓った。

 党本部の茂木敏充幹事長は、自民の派閥政治資金パーティー裏金事件を謝罪した上で「国民目線、現場の声を大切にして党改革を同時並行で進めていく選挙になる」と述べ、「内外の課題に取り組むには政権基盤の安定が必要で、国民の信頼回復が必要だ。党の再生、日本の再生を果たしていく」と強調した。

 細田博之前衆院議長の死去に伴う補選は、錦織氏のほか、立民元職で党県連代表の亀井亜紀子氏(58)、無所属新人で山口県内の社会福祉法人理事長の佐々木信夫氏(85)が立候補を予定。日本維新の会は候補者擁立が難航している。衆院解散・総選挙がなければ4月16日告示、同28日投開票となる。