端午の節句(5月5日)を控えて、こいのぼりの国内トップメーカー・徳永こいのぼり(岡山県和気町藤野)で生産が最盛期を迎えている。従業員は全国各地の子どもたちの成長を願いながら作業に励んでいる。

 大小合わせて年間約100万匹を製造。このうち約13万匹に上る端午の節句向けは2月下旬から始まり、4月下旬まで続く。工場では青、紫、黒など色鮮やかなコイを描いたポリエステルの生地を裁断し、丁寧に縫製して仕上げていく。

 少子化や住宅事情の変化などから大空を舞う屋外用の大型(長さ10〜3メートル)は減少傾向で、ベランダで飾れるような小型なサイズが人気という。

 こいのぼり文化を紹介し、子どもの成長を記録できるフォトブックのプレゼントを昨季から始めた同社。永宗洋専務(42)は「家族と一緒にこいのぼりを楽しんだ記憶が子どもたちの心に残り、優しくたくましく育ってほしい」と話す。