倉敷市出身で米国の映画や舞台で活躍する俳優の安藤美亜さん=ロサンゼルス在住=が、心のよりどころとする後楽園を舞台にした映画「Korakuen」の製作に向け、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。愛する人を失った悲しみからの立ち上がりがテーマで「心の病や偏見と向き合いながら生きる力を取り戻す再生の物語です」とアピールする。

 2006年に渡米した安藤さんは演劇学校に通い、名演出家の故ロバート・アラン・アッカーマン氏に師事。映画やテレビなどへの出演を重ね、主演した映画「サブミッタン」(21年)は各国映画祭で高評価を得た。プロデューサーや作詞家としても注目を集める。

 「Korakuen」は安藤さん自身初の監督作品。男性が亡き妻の故郷・岡山で出会う人たちに翻弄(ほんろう)されながら死と向き合うショートムービー(約20分)だ。「日本ではまだ心の病への偏見が大きい。社会が変わる助けとなる映画にしたい」。夫妻の思い出の地でストーリー上、重要な役割を担う後楽園は「日本の美しさの象徴で誇りに感じる場所。訪れるたびに心が癒やされ、再び頑張る力をもらえる。世界に伝えたい」と話す。撮影は今夏に岡山、倉敷市などで行い、25年1月の完成を目指す。

 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。400万円以上が目標で6月30日まで募り、製作や宣伝費の一部に充てる。支援額に応じて上映会への招待などの特典がある。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/korakuen555)。