顔やバストの美容整形をSNSで公表する女性は増えているが、女性器の美容医療においてはまだ“ヒミツ”な部分が多い。そんな中、今年3月に故・山本"KID"徳郁の元妻で実業家のMALIA.がSNSで小陰唇縮小術を公表し話題に。今回は下半身のお悩み解消に特化した下半身専用の美容クリニックで、自身の女性器に名器形成を施した女性に詳細を聞いた。

加齢による膣の緩みは
そのままにするしかないのか


訪れたクリニックは、女性の「名器形成」をはじめ、男性のED治療なども行う日本でも数少ない下半身の美容医療が専門の『vearyclinic(ヴェアリークリニック)』。

院長を務める井上裕章氏は医者の家系に生まれ、東大医学部(理Ⅲ)を卒業した後、消化器外科医でがん医療に携わってきた超エリート医師だ。


「vearyclinic(ヴェアリークリニック)」にて院長を務める井上裕章氏 撮影/集英社オンライン


この病院の門を叩き、井上院長に「タコ壷」型の名器形成の施術を受けたのが、都内のIT企業でチームマネージャーとして務める鈴木真由子さん(48歳・仮名)だ。真由子さんは言う。



「実は去年、久しぶりに彼氏的な方ができたんです。その方が、ちょっと年下で。で、そういうこと(セックス)をした時に、あまり盛り上がらなかったんです。単純に向こうのリアクションが薄いのか、それとも私に何か問題があるのか、すごく不完全燃焼で。事後にこんなにモヤモヤしたのは初めてのことでした」

真由子さんの年下の彼氏は3年ぶりにできた30代後半の彼氏だという。真由子さんのようなアラフィフの女性が久々のセックスで感じる違和感とは何か? 井上院長に聞いてみた。

「加齢により足腰の筋肉が弱まるのと同じで、膣周辺の筋肉である骨盤底筋群も確実に弱まります。また、膣は子宮など内臓の重力を支えているので、常に膣口が重力によって引き伸ばされているのと同じ状態なんです。

そのため頬や胸、お尻が垂れるのと同じように、膣の場合はその垂れが緩みという症状として出ます。つまり真由子さんは加齢によって自然に生じる膣の緩みがあったのかもしれません」

加齢による膣の緩み…! なんというパワーワード。よく膣の緩みは産後のダメージが大きく影響するというが、真由子さんに産歴はない。ただ加齢だけで緩むとは、どういう仕組みなのか。


骨盤底筋群を使わなければ衰える


「まず加齢により女性ホルモンの分泌量が減ります。女性ホルモンには筋肉のハリを保つ役割もあるので、その分泌量が減れば緩みの原因となります。また、日頃、性行為やマスターベーション、運動などをせずに骨盤底筋群を使わなければ衰える一方です。産歴があってもなくても、個体差はあれど緩みは生じます」(井上院長)

実は真由子さんも、自分の膣には“緩みがあるのではないか”とは勘づいていたという。

「お互い若いわけでもないからこんなものなのかとは思ったんですが、やっぱり頭の中には“もしかして私…緩いのかな”という不安がありました。

ネットでも“膣の緩み”などをいろいろと検索するようになり、そうすると出てくる様々な“膣の緩みの改善”や“膣圧アップ”の文言に目を引かれるようになったのです。そうしてだんだん、どのクリニックでどんな処置をするのがいいのかをリサーチするようになりました」


井上院長と真由子さん(撮影/集英社オンライン)


すぐさま何軒かのクリニックを絞り込んだが、実際にカウンセリングを受けて施術を決めたのは『veary clinic』だった。

「昨年11月末にカウンセリングを受けて、その日に施術を決断して1週間後には施術をしました。決め手はオペ的に体にメスを入れたりするのではなく、膣内にヒアルロン酸注入をするという、思ったよりも手軽な処置で済みそうだったので、ハードルを低く感じました。値段的にも35万円弱と比較的良心的な金額だったのもよかったです」

では、実際に真由子さんが行った施術とはどういうものなのか? 井上院長に解説してもらった。


ショットの打ち分けで名器を形成


「まず膣内を内診し、状態をみます。真由子さんの場合は前側にやや突起があって奥が広めという形状でしたので、このタイプの方の場合は、突起部分に『Gショット』といって、Gスポット部分にピンポイントでヒアルロン酸注入すると、感度が上がり濡れやすくなる可能性が高いんですね。

そして奥が広めだったので、その広めの部分にも「Gショット」を打つことで、『タコ壷』型になるようにヒアルロン酸注入をしたと言うわけです」(井上院長)


クリニックのパンフレット。名器について細かな説明が


ヒアルロン酸注入といっても、一体どのくらいの量を注入するのか? 俗に言う豊胸などにも注入するヒアルロン酸と同様のものなのだろうか?

「鈴木さんに注入したのは8㏄です。1本に1cc入っている高価なヒアルロン酸注射を先ほど申し上げた『タコ壷』型になるように8箇所に打ちました。胸に注入するタイプのヒアルロン酸とは違います。これは膣用というわけではないですが、顔の輪郭形成などにも注入できるほどの質の高いものを注入しています」(井上院長)



8ccといったら、スプーン一杯分程度の量のヒアルロン酸だ。それを膣内に入れたことで、どのような変化があったのか? 真由子さんが語る。

「注入後も注入前と体感的には何も変わらないから、自分ではそんなに変化は感じてないんです。でも、注入後に彼といたしたところ、その変化は歴然でした。“すごくいいね”“だいぶ変わった”と驚いて、その時はすごく盛り上がりました。

実は井上先生に『この施術のこと、彼氏に内緒にしてもバレませんよね?』って聞いたら『たぶんすごく変化を感じるだろうからバレると思います(笑)』と言われたので、彼にもする前に言ったんです。彼はその時は複雑な顔をしてましたけど、した後は満足顔で、その顔を見て私も嬉しいという感じです」

真由子さんは「やってよかった」と笑うが、実はこのヒアルロン酸注入は永久的に効果が続くわけではないという。



「これはヒアルロン酸注入のメリットでもありデメリットでもありますが、注入したヒアルロン酸はだいたい1年から2年ほどで膣内に吸収されてしまいます」(井上院長)

30万円以上かけて1年で吸収されてしまう……。これを安いととるか、高いととるかは人それぞれだろうが、が「リピートする患者がほとんど」だと井上院長は語る。


リスクについても単刀直入に


「このヒアルロン酸注入によって粘膜の質も改善するので二度目以降に施術を受ける方は、注入箇所を変えたりしながら控えめに入れる方もいれば、さらに注入箇所を多くして名器を追求する方もいますね」(井上院長)

名器形成の中でも高価なのは「ミミズ千匹」(85万円〜)と「俵締め」(50万円〜)。これらは、なぜ高価なのかといえば、やはりヒアルロン酸注入量が多いからだという。

「『ミミズ千匹』にされた方も実際にいらっしゃいます。これは内側のヒダを作るために注入回数は増えます。また、『俵締め』をされる方も、膣内にヒアルロン酸で突起部位を形成するように注入します。最大量では30㏄ほど注入された方もいますね」(井上院長)

30㏄となるとスプーン一杯では済まない! そんなに注入したら、何か膣に違和感を感じることはないのだろうか?

「注入後、3〜4日ほどはなんとなく膣内に違和感を感じるかもしれませんが、そのうちに馴染む程度だと思います」(井上院長)

術後、真由子さんはというと、彼氏との関係がさらに良好になったという。

「セックスそのものが楽しくなりましたし、それにより、なんというか幸福度も上がったかなと思います。前よりも彼が早くイクようになったとか『いいよ』とか言ってくれることが増えて、やってよかったなと。

整形は自分にとって初めての経験でしたけど、名器形成は人に見えないところなので、よりやりやすくていいなって思います」



しかし、昨今は消費者安全調査委員会(消費者事故調)が「ハイフ(HIFU)」という超音波技術を使った美容施術を受けた人の被害が相次いでいる件を発表したように、美容整形の現場では医療事故が起きているのも事実だ。

この膣内ヒアルロン酸注入も、何かしらのリスクはないのだろうか? その辺りについても単刀直入に井上院長に聞いた。

「ヒアルロン酸注入もHIFUと同じように流行ってきているので、もちろん事故はあると聞きます。症例数が少ないクリニックなどでは、肛門を貫いてしまって『直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう)』という膣から便が出てしまうという事態になってしまうケースもあると聞きます。

もちろん当院ではそのようなトラブルはありませんが、そういう最悪のケースを引き起こす場合もあるということです」

井上院長が特に嬉しかったのは、不妊に悩む患者からの感謝の言葉だったという。

「夫が毎回、中折れするということで当院で名器形成された方から術後に連絡があり『いま妊娠4ヶ月です。あの時、名器形成を受けてなかったら、セックスレスになって子供はできなかったかも。本当にありがとうございました』という、お礼の言葉をいただきました」

※本記事内の施術体験内容については、あくまで個人の体験であり、それに基づく感想です。


取材・文・写真/河合桃子