2012年に声優デビューを果たし、同期の伊藤美来との声優ユニット・Pyxisとしても活動する人気声優、豊田萌絵が5月20日(月)発売『週刊プレイボーイ23号』の表紙&巻頭グラビアに登場。

5月24日(金)に発売する、20代ラストの魅力を余すところなく詰め込んだ最新写真集『moe』への思いや撮影エピソードを語ってもらった。

■崩れた表情の自分も悪くないなって

――ニュージーランドで撮影された3rd写真集『moe』(集英社)が完成しました。

豊田 2nd写真集のときに、次は20代の最後、28歳か29歳に写真集を出すことを目標として語っていたんです。それが今回、28歳で撮影して29歳で発売と、目標を有言実行できたことがすごくうれしいです!

――20代の最後に写真集を出すことを目標にした理由は?

豊田 2nd写真集が5年前ぐらいなので、20代半ば。そこから20代後半になったら、きっとすごく大人っぽい自分になっているだろうなと思って。ただ、20代半ばの私が想像していたより、今の自分はそこまで大人っぽくなってなかったかなと思います(笑)。でも、想像とは違っていたけど、20代最後の等身大のかわいらしさとか、20代半ばではたぶんできなかった表情や衣装に今回は挑戦しているので、"20代半ばの私では見せられない、20代最後の今の私を見せる"という意味では、もくろみどおりになったんじゃないかなと思います。

――ニュージーランドを撮影地に選んだのは、どうして?

豊田 「本当にそれで?」って言われるんですけど、世界地図を見ながらどこにしようかなって考えていたときに、日本とニュージーランドの国の形が似ていたことに気づいて、何かの縁かなって(笑)。あと、周りにニュージーランドに行ったことがある人が何人かいて、すごくいい所だとも聞いていました。それも重なって、今回の写真集のロケ地に決めた形です。

――完成した写真集を見て、以前の写真集の自分とは違うなと感じた部分はどこでしょうか?

豊田 前は、こういう顔が自分は得意だからこのカットは絶対にこうしたいって、自分の表情へのこだわりがけっこう強かったと思います。でも、やっぱり年齢を重ねていくと、崩れた表情の自分も悪くないなって思えるようになったというか(笑)。今までだったらこれはちょっと嫌だなと思っていたような表情も、これが人間らしさなんじゃないかとか、決め決めじゃないから逆にいいんだとか、いろんな表情を許容できるようになったことが大きな変化だし、5年前からの一番の成長なのかなって思っています。

――いろんな表情の自分を受け入れられるようになったのは?

豊田 年齢を重ねたことは、やっぱり大きいと思います。いろんなことに慣れたし、お仕事を通して自信も生まれました。それによって自己肯定感が上がって、いろんな表情の自分を許せるようになったんじゃないかなと思います。もともと基本的に自分のことは大好きなんですけど(笑)、今はこれまで以上に自分のことを愛しながら毎日を生きていると思います!

――写真集のタイトルは、ご自身の名前を英字表記した『moe』です。

豊田 今までの写真集も自分の名前を絡めたタイトルにしていたんですけど、今回の写真集は自分の心意気的には集大成の写真集のつもりで臨んだので、シンプルに自分の名前をタイトルにして勝負しようかなって。今の自分がやれること、やりたいことは悔いがないようにできたので、本当に集大成の写真集が完成しました。あと、ニュージーランドの公用語のマオリ語で「moe」は「うたた寝」という意味があって。写真集を通して"うたた寝"しているシーンが入ってきて、いいアクセントになっているんじゃないかなと思います。

■これからもずっと親しみやすいままで

――現在、声優デビュー12年目を迎えていますが、今はどんな心境で活動していますか?

豊田 12年目だけど、「まだまだなんでもやります!」という心持ちです。声優のお仕事に限らず、今の時代の芸能界は、今回の写真集のようなお仕事も含めて、本当にいろんなことにチャレンジさせていただける世界です。自分がやりたいと思ったらいろんなお仕事に挑戦するチャンスがある。それが私にすごく合っていると思うので、12年目の今もいつも楽しくお仕事をさせていただいています。

――これからも、どんどん新しいことに挑戦していく?

豊田 そうですね。例えば声優のお仕事では、「こういう声も持っているんだ!」ってみんなに驚いてもらえるような役柄を演じられたらうれしいですし、演技の幅が広がるだろうなと思っています。表に出るお仕事以外では、30代になったら裏方のお仕事にも挑戦してみたい。アイドルが好きなので、いつかアイドルグループのプロデュースがしてみたいという気持ちが実はあって(笑)。アイドルが好きだからこそ、生半可な気持ちではできないことは十分すぎるほどわかった上で、それでも、もし挑戦できる機会があればぜひやってみたいです!

――プライベートでは?

豊田 新しいことに挑戦というわけではないですが、旅行が好きなので、いろんな国にたくさん行きたいですね。ニュージーランドにもまた行ってみたいです。今回の撮影でいろんな場所に行きましたけど、まだまだ行ってなくて訪れてみたい所がたくさんあるので!

――年齢を重ねて変化したり、新しいことに挑戦したりする一方、変わらずにいたい部分は?

豊田 親しみやすさは、絶対になくしたくないです。いつまでも、誰にとっても、ずっと親しみやすい人間、誰からも話しかけやすい友達みたいな存在でありたいなということは、常に思っています。そんな自分の親しみやすさを、今後のいろんな活動にも、もっともっと生かしていきたいです!

■豊田萌絵(Moe TOYOTA)
3月15日生まれ 茨城県出身 身長152㎝
○2012年に声優デビュー。伊藤美来との声優ユニット・Pyxisとしても活動中。主な出演作は『響け!ユーフォニアム』(川島緑輝役)、『BanG Dream!』(松原花音役)、『声優ラジオのウラオモテ』(夕暮夕陽役/渡辺千佳役)など、多数出演。レギュラーラジオ番組『豊田萌絵 with もえころがし』(文化放送)のパーソナリティを務める。
公式X【@toyotamoe】
公式Instagram【@toyotamoe】

取材・文/大久保和則 撮影/藤原 宏