「運」が良くなりたいと誰もが思うことだろう。けれど、運は目に見えないモノ。目に見えないモノを欲し、大事にしたいなら、目に見えない「気」をよくすることが大切になる。そして、気をよくするには、部屋の片づけと心の片づけをすることだ。

■「いい片付け」は「いい運気」を呼び込む

『運とお金を引き寄せる片づけ』(広沢かつみ著、清流出版刊)では、2000件以上の片づけや収納相談を受けてきた整理収納アドバイザーの広沢かつみ氏が、運気が上がり、人生が変わる部屋の片づけ術を紹介する。

部屋の片づけをすれば運を引き寄せられるといっても、そもそも片づけが苦手、面倒くさいという人は多いだろう。「面倒くさい」「苦手」を克服するには、自分の行動を妨げる障壁を排除し、行動を変えること。

昔の広沢氏は、夕食を食べたらテーブルの上の食器などをそのままにした状態でソファに横になり、テレビを見ていたという。横になったら最後、動くことも面倒になってしまう。そんなある日、「このソファが私をダメにする!」と気づき、思い切ってソファを捨てた。ソファを手放すことで、面倒くさい要因を排除し、行動も変わったという。振り返ってみると、自分の行動を妨げる要因は必ずある。それを取り除くことで、これまでできなかったことに手がつくようになることは多い。

では、どこから片づけるのがいいのか。それは、運気の入り口となる玄関とトイレだ。玄関をきれいに整えることで、自分が帰宅したときに気持ちがいい、玄関先で対応する来客にも気を使わずに済むというメリットもある。毎日、朝でも夜でもいいので1回は、三和土の掃き掃除を行うようにするといい。

そして、トイレは「思いやり」の気持ちが表れる場所。普通の人はトイレ掃除を嫌がるもの。しかし、使うたびに掃除をすればキレイが持続するし、使う人も気持ちがいい。汚いと思う場所を使う人のためにキレイにしておこうと思う「思いやり」の気持ちが運を呼ぶのだ。

部屋を片づけても、心の中が片づかないとリバウンドもありえる。「来客があるから」といった一時的な意味合いの片づけではなく、「自分はどう暮らしたいのか」ということを見つめないことには根本的な解決にはならない。

「物があふれた部屋で暮らしたいのか」「スッキリした部屋で丁寧に暮らしたいのか」と自分に問いかけてみること。どう暮らしたいのかを考え続けながら、ゆっくり整理していくことであるとき、答えが見つかるだろう。そのときに心も整理されていくという。

「運も実力のうち」と言うが、前触れなしに運がやって来たときに、受け入れる準備をしておくことが必要。その準備がその人の実力だ。日々の生活の中で、部屋の片づけと心の片づけをしていることで、運をつかめるようになるはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)