日本代表は3月21日、国立競技場で開催される北中米ワールドカップ・アジア2次予選の北朝鮮戦に挑む。その5日後には、約13年ぶりに敵地・平壌に乗り込むアウェー戦が待っている。

 ベールに包まれ、不気味な北朝鮮代表で、一際注目を浴びているのが、かつてユベントスにも在籍し、“北朝鮮のクリスティアーノ・ロナウド”の異名を取るFWハン・グァンソンだ。

 カリアリ時代の2017年4月2日に18歳にしてセリエAデビューを飾ったハン・グァンソンは、その1週間後に初ゴールも記録。翌シーズンにレンタルされたセリエBのペルージャでは、前半戦のみで7ゴールを挙げる活躍を見せた。

 そして、2019年にカリアリからのレンタルでユベントスU-23チームに加入すると、2020年1月にユーベに買い取られるも、数日後にカタールのアル・ドゥハイルへ売却。ここでキャリアが狂った。

 英メディア『SPORT BIBLE』は3月19日、「3年間行方不明だった“北朝鮮のクリスティアーノ・ロナウド”ハン・グァンソンに何が起こったのか」と見出しを打った記事を掲載。こう伝えている。

「この若者はカタールに足を踏み入れ、アル・ドゥハイルをカタールリーグ優勝の栄光に導いた。彼は自分のポテンシャルを発揮できる場所を見つけた。だが2021年3月、彼の人生は永遠に変わった」
【動画】C・ロナウドを彷彿?北朝鮮代表FWハン・グァンソンのゴラッソ
 同メディアは「ハンは北朝鮮の核兵器開発計画を巡る政治の犠牲者となった。21年3月、国連は北朝鮮国民の海外就労を禁止する制裁を始めた。国連はユベントスからアル・ドゥハイルへの移籍が国際制裁違反であると裁定し、カタールのチームとの契約を解除させた」と綴り、こう伝えている。

「ハンはカタールから国外追放され、まずローマ行きの飛行機に乗せられた。新型コロナウイルス感染症のパンデミックのさなか、北朝鮮は国境を封鎖し、航空機の出入りを禁止した。その結果、ハンは数年間も大使館に閉じ込められることになったと伝えられている。彼はインタビューに応じるのを許可されておらず、何が起こったのかを正確に知ることはおそらく不可能だということだ」

 3年近く表舞台から消えていたハン・グァンソンは25歳となった現在、母国の4.25体育団でプレー。6−1で圧勝した昨年11月のミャンマーとのワールドカップ予選でピッチに立ち、ゴールを決めている。

 日本にとっては最も警戒すべき選手かもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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