『SheBelieves Cup』に参戦するなでしこジャパンは現地4月1日から、アメリカでキャンプを実施。今回の遠征で宮澤ひなたが久々の代表復帰を果たした。

 宮澤は昨夏の女子ワールドカップで5ゴールを挙げて得点女王に輝き、一躍その名を挙げたが、昨年12月のブラジル遠征で右足首を骨折。今年2月に行なわれたパリ五輪・アジア最終予選は招集外に。

 昨年9月にマイナビ仙台レディースからイングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドに移籍したばかりで、翌年には五輪も控えるなかでの負傷。それでも宮澤に焦る気持ちはなかった。

「正直、オリンピックには間に合うという気持ちが先にきました。あの瞬間は自分の中でも感覚的に少し違うなというのはあったので、素直に折れてたんだ、というところは受け入れられました。でも、そこで落ちるというよりは、復帰までどのくらいで、オリンピックはまだ間に合うんだというところの先が自分ではまだ見れていたので、そこまで落ち込むことはなかったかなとは思います。復帰したから言えるかもしれないですけど(笑)」
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 五輪の本大会には間に合うが、最終予選には間に合わず。それでも代表の選手たちが北朝鮮を下し、パリ五輪行きの切符を獲得してくれた。24歳のアタッカーは感謝を口にする。

「最終予選をみんながハードな日程のなかで戦って、オリンピックの出場権をとってくれた。自分自身、その場にいれたらなというもどかしさは正直ありましたけど、みんなが先に繋げてくれたから、今ここに自分が戻ってこれていると思います。

 本当にリハビリを乗り越えて良かったなとは正直、思うところですけど、やっとみんなと同じラインに立てただけ。またここから、オリンピックは18人という厳しい争いもありますし、チームとして何ができるかもそうですし、個人としても何が出せるか、チームのためのプラスになれるかが今回は大事になってくるのかなと思います」

 チームのために――。宮澤は「またみんなで戦えるのはすごく嬉しい」と喜びつつも、「だからこそ良い準備をして万全の状態で臨みたい」と気を引き締めた。

 2大会連続6度目のオリンピック出場を決めているなでしこジャパンは、現地6日に初戦でアメリカ女子代表と、9日にカナダ女子代表とブラジル女子代表のどちらかと対戦する。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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