2024年4月22日(現地時間)、U-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)のグループステージ最終節で韓国と戦った大岩ジャパン。勝てば首位通過が決まる一戦、同19日のUAE戦からスタメン7人を入れ替えた日本(システムは4-2-3-1)は韓国(システムは3-4-3)のカウンターを警戒しつつ、左サイドハーフの平河悠(FC町田ゼルビア)を軸に攻撃を仕掛けた。

 ただ、守備時に5バックとなる韓国の壁をなかなか突き崩せない。組み立ての局面でボランチコンビの田中聡(湘南ベルマーレ)と川﨑颯太(京都サンガF.C.)が相手のタイトなマークでほぼ消された影響もあり、前半は敵ゴールに迫るシーンが限られたのだ。

 後半に入っても韓国のプレスに苦しんだ日本は、最終ラインから効果的な縦パスが入らず60分まで攻撃の形をほとんど作れなかった。藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)と松木玖生(FC東京)の両セントラルMF、左サイドハーフの佐藤恵允(ブレーメン)を3人同時投入したあたりから韓国の疲労の色が濃くなったこともあり、チャンスを演出できるようになったが、流れを掴みつつあったタイミングでセットプレーから痛恨の失点を喫した(結果は0-1)。
 
 失点シーン、なぜGK野澤大志ブランドン(FC東京)は飛び出したのか。ああやって前に出た以上、GKなら絶対にボールに触らなければいけない。それができなかったということは判断ミスと言える。

 結果論になるが、前の2試合で好調だったGKの小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)をスタメンから外す必要はなかった。キックの質を見ても、野澤には物足りなさがあった。

 物足りなかったのは、CFの細谷真大(柏レイソル)も同じ。86分の決定機逸(ヘディングシュートを枠外へ)は今大会の彼の不振を象徴する場面だった。

 CFで先発出場した内野航太郎(筑波大)、田中と川﨑を含めてセンターラインが安定しなければ、敗れて当然との見方はできる。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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