ホームの東京ヴェルディ戦、4-0で迎えた90+3分に歓喜を呼び込んだのは、FC町田ゼルビアのエリキ。足の大怪我を乗り越えて、待望の今季初ゴールを決めたのだ。

 下田北斗のミドルからGKが弾いたボールに文字通り素早く反応。抜群の動き出しでゴール前に詰めるとヘッドで叩き込む。その直後、スタジアムは温かい雰囲気に包まれた。フィールドの横で選手、スタッフ、監督が喜びを爆発させるなか、そこに笑顔のエリキが吸い込まれていく。ファン・サポーターの大歓声もあり、感動的なシーンだった。

 試合後、このゴールについて昌子は「今日に関しては色々ありますけど、まずはエリキにおめでとうと言いたい」とコメントした。

「エリキのゴールは格別。チームとしても、ファン・サポーターにとってもそうだと思います。僕らもエリキがゴールを決めるのを待っていたので、(藤尾)翔太が2点を挙げてオウンゴールも誘発してくれましたが、エリキに捧げる勝利かなと」
 
 昌子もゴール後にピッチ外でエリキを祝福したひとりだ。

「僕もみんなに『(エリキのところに)来いよ』と言っていましたし、それほど待ち望んでいたゴールでした。昨年の彼の活躍は町田のヒストリーの一部で、エリキへのリスペクトは選手、スタッフ、ファン・サポーターの全員が持っています。なので、本当に嬉しかったですね」

 そしてエリキに「昌子選手が今日一番嬉しい瞬間がエリキ選手のゴールと言っていました」と伝えると、彼は笑顔で答えてくれた。

「昌子選手たちと仕事ができることに本当に感謝したいです。特別な日々を過ごしています。ゴールをみんなが喜んでくれて、まるで決勝点を決めたかような気分にさせてもらいました」

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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