DFBポカール準々決勝が12日に行われ、ボルシアMGは敵地でザールブリュッケンと対戦した。


 今季のブンデスリーガではここまで6勝9分10敗の勝ち点「27」という成績で、現在12位と上位進出のきっかけを掴めていないボルシアMG。一方でDFBポカールでは、1回戦でベルゼンブリュック(5部相当)を相手に7−0で完勝すると、2回戦ではハイデンハイムとの1部対決を3−1で制した。ラウンド16ではヴォルフスブルクと激突し、延長後半終了間際にクアディオ・コネが値千金の先制点を決め、1−0で勝利。3シーズンぶりに準々決勝へ辿り着いた。


 ベスト4の座を懸けて激突するのは、3.リーガ(ドイツ3部)に身を置くザールブリュッケン。今大会では1回戦で2部のカールスルーエを2−1で下すと、2回戦では“絶対王者”のバイエルンを相手に2−1で逆転勝利。ラウンド16では長谷部誠が所属する1部のフランクフルトを2−0で破り、勢いを持って準々決勝へ飛び込んできた。


 ボルシアMG所属の板倉滉はスタメン、福田師王はメンバーから外れた一戦は、立ち上がりの8分に動く。ボルシアMGは敵陣右サイドへのロングボールを蹴り込むと、相手選手の対応が中途半端になった隙をフランク・オノラが見逃さず、右サイドをドリブルで前進。自らペナルティエリア内まで持ち運び、マイナスへ折り返すと、最後はフリーでゴール前へ顔を出したロビン・ハックが右足で流し込む。ボルシアMGが幸先良く先手を取った。


 早々と1点のビハインドを強いられたザールブリュッケンだったが、直後の11分には試合を振り出しに戻す。ピッチ中央付近でボールを収めたところから左サイドへ展開し、中央を目掛けたパスが送られると、ここは先に板倉が反応したものの、セカンドボールにアミン・ナイフィが反応。ボックス手前から右足を振り抜くと、わずかに遅れて寄せた板倉の対応も虚しく、シュートはゴールネットに吸い込まれた。


 試合はこのまま1ー1で時計の針が進む。ボルシアMGは前半終盤に中央からドリブルで持ち運んだフロリアン・ノイハウスがミドルシュートを放つ。ここはGKに弾き出されたが、こぼれ球を拾ったハックがボックス右へ折り返すと、最後はオノラが右足で合わせものの、枠を捉えた一撃はゴールラインのわずか手前でルーカス・ボーダーにクリアされた。


 後半に入ってもボルシアMGがボールを握りながら攻撃に出る時間を増やしたが、なかなか次の1点は生まれない。このまま1−1で後半アディショナルタイムに突入したが、ドラマは最後に待っていた。


 ザールブリュッケンは自陣から細かくボールを繋ぎ、前がかりになったボルシアMGをひっくり返すと、敵陣左サイドのスペースへと送られたスルーパスでファビオ・ディミサが抜け出す。守備陣の間を抜ける折り返しを送ると、ファーサイドへ走り込んでいたカイ・ブリュンカーがダイレクトで右足を振り抜く。狙い澄ました一撃でゴールネットを揺らし、土壇場でザールブリュッケンが勝ち越しに成功した。


 試合はこのままタイムアップ。この結果、勝利したザールブリュッケンが準決勝進出を決めた。なお、準決勝は4月2日に行われ、2部のカイザースラウテルンと対戦する。


【スコア】

ザールブリュッケン 2−1 ボルシアMG


【得点者】

0−1 8分 ロビン・ハック(ボルシアMG)

1−1 11分 アミン・ナイフィ(ザールブリュッケン)

2−1 90+3分 カイ・ブリュンカー(ザールブリュッケン)