ヨーロッパリーグ準決勝セカンドレグが9日に行われ、レヴァークーゼンがローマと2−2で引き分け、欧州主要大会参加クラブにおける史上最長無敗記録を達成した。そこで今季のレヴァークーゼンが更新した主な記録を時系列で振り返り、今後更新する可能性がある記録も最後に紹介する。


◆■【ドイツ国内】開幕からの連続複数得点記録


達成日:2023年11月25日


 ブンデスリーガ第12節でブレーメンに3−0で勝利したレヴァークーゼンは、開幕からの12試合連続で複数得点を達成し、ブンデスリーガ史上最長記録を更新した。


◆■【ドイツ国内/クラブ記録】開幕からの無敗継続試合数/クラブ年間(2023年)最多勝



達成日:2023年12月21日


 ブンデスリーガ第16節でボーフムに勝利したレヴァークーゼンは、開幕からの公式戦無敗記録を「25」まで伸ばし、ドイツ国内における公式戦無敗記録を更新。そして、同試合で2023年のリーグ戦で挙げた勝利数が22試合に達し、クラブ新記録を更新した。


◆■【ドイツ国内記録】DFBポカール連続得点記録



達成日:2024年2月6日


 DFBポカール準々決勝シュトゥットガルト戦でレヴァークーゼンは同大会における連続得点試合を「30試合」に伸ばし、大会過去最長記録を更新した。


◆■【ドイツ国内記録】公式戦無敗記録



達成日:2024年2月23日


 ハンジ・フリック監督に率いられたバイエルンは、2020−21シーズンから2021−22シーズンにかけて、公式戦32試合無敗を記録した。しかし、今季のレヴァークーゼンはブンデスリーガ第23節でマインツを2−1で破り、ドイツのクラブにおける公式戦無敗記録(欧州カップ戦+国内リーグ戦+国内カップ戦)を33試合に更新した。


◆■【クラブ記録】1シーズンのリーグ戦最多勝利



達成日:2024年3月17日


 ブンデスリーガ第26節でフライブルクを下し、レヴァークーゼンはリーグ戦の22勝目を挙げた。この結果、1999−2000シーズンに残したリーグ21勝10分3敗の成績を上回り、クラブ歴代最多勝利数の記録を更新した。なお、今季のレヴァークーゼンが、2012−13シーズンおよび2013−14シーズンのバイエルンが記録したブンデスリーガ最多勝『29試合』を上回る可能性はなくなった。


◆■【クラブ記録】リーグ戦歴代最多勝ち点



達成日:2024年4月6日


 ブンデスリーガ第28節でウニオン・ベルリンに勝利したレヴァークーゼンは勝ち点を『76』に伸ばし、6試合を残して、1999−2000シーズンのクラブ歴代最多勝ち点記録を更新した。なお、今季のレヴァークーゼンが2012−13シーズンのバイエルンが記録したブンデスリーガの最多勝ち点『91』を更新する可能性はなくなった。


◆■【クラブ記録】1シーズンの公式戦最多勝利記録



達成日:2024年4月6日


 同じくウニオン・ベルリン戦で、レヴァークーゼンは今季公式戦で36勝目を記録。これで2001−02シーズンに60試合中35試合で勝利した同クラブの最多勝利数の記録を更新した。


◆■【ドイツ国内記録】同一シーズンのブンデスリーガ無敗(開幕連続無敗)記録



達成日:2024年4月14日


 ブンデスリーガ第29節でブレーメンに勝利。同リーグの歴史において、シーズン開幕からの29試合を無敗で終えたのは、今季のレヴァークーゼンが初めてとなった。ジョゼップ・グアルディオラ監督に率いられ、第27節で史上最速優勝を決めた2013−14シーズンのバイエルンでさえ、第29節のアウクスブルク戦で敗れており、開幕からの無敗記録は「28」だった。


◆■【クラブ記録】ブンデスリーガ初優勝



達成日:2024年4月14日


 1904年にドイツの製薬会社バイエルによって創設されたレヴァークーゼンは、1979年に初めてブンデスリーガに昇格。以降は一度も2部に降格せず、リーグ準優勝も5回経験したが、一度もリーグ優勝を果たしたことがなかった。しかし、クラブ創設120年目の節目の年となった今シーズン、ブンデスリーガ第29節でブレーメンに勝利して、11連覇中のバイエルンを破り、クラブ史上初のブンデスリーガ優勝を果たした。


◆■【欧州5大リーグ記録】公式戦無敗記録



達成日:2024年4月18日


 欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、フランス、ドイツ)の1部に所属するクラブにおける公式戦の無敗記録は、2011−12シーズンのユヴェントスが達成した『43試合無敗』だった。今季のレヴァークーゼンは、EL準々決勝セカンドレグ・ウェストハム戦で1−1と引き分け、『44試合無敗』を達成した。


◆■【クラブ記録】リーグ最多得点記録



達成日:2024年5月5日


 ブンデスリーガ第32節フランクフルト戦で5−1と快勝したレヴァークーゼンは、今季のリーグ得点数を「82ゴール」とし、同リーグにおける1シーズンクラブ歴代最多得点を2試合残して更新した。なお、ブンデスリーガの1シーズン最多得点は、1971−72シーズンにバイエルンが記録した「101ゴール」となっている。


◆■【欧州記録】最多連続無敗記録



達成日:2024年5月9日


 EL準決勝第2戦セカンドレグ・ローマ戦で2−2と引き分けたことで、公式戦の無敗を『49試合』に更新。これで1955年に欧州サッカー連盟(UEFA)が欧州カップ戦を導入して以来、ヨーロッパの欧州主要大会参加クラブにおける公式戦無敗の最長記録を59年ぶりに塗り替えた。歴代最多記録は以下の通り。


1位:レヴァークーゼン(ドイツ)/49試合無敗/2023−2024シーズン

2位:ベンフィカ(ポルトガル)/48試合無敗/1963−1965シーズン

3位:ディナモ・ザグレブ(クロアチア)/45試合無敗/2014−2015シーズン

3位:HNKリエカ(クロアチア)/45試合無敗/2016−2017シーズン

5位:レンジャーズ(スコットランド)/44試合無敗/1992−1993シーズン


◆■今後更新する可能性がある主な記録


◇ELと国内リーグ・カップ戦の3冠


 レヴァークーゼンは、DFBポカール決勝にも進出しており、仮にブンデスリーガ、EL、DFBポカールの3冠を1シーズンで達成すれば、史上初のチームとなる。


◇1シーズンリーグ戦無敗


 リーグ戦は残り2試合で、浅野拓磨が所属するボーフムとアウクスブルクとの対戦を残している。残り2試合で負けなければ、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝を達成することになる。


◇1シーズン公式戦無敗


 欧州のトップレベルでは、いまだかつて1シーズンの全公式戦を無敗で終えたチームはいない。2016−17シーズンのセルティックは国内3冠を無敗で達成したが、チャンピオンズリーグでは敗北を喫し、グループステージで敗退した。1994−95シーズンのアヤックスは、エールディビジ(オランダ)とチャンピオンズリーグで無敗優勝を果たしたが、KNVBカップ(オランダ国内カップ戦)で1敗を喫しており、シーズン無敗とはならなかった。レヴァークーゼンが3冠達成を果たした場合、欧州史上初の快挙となる。


◇リーグ戦無敗記録


 レヴァークーゼンは昨季最終節でボーフムに敗れているため、シーズンをまたぐことなく、リーグ32試合無敗となっている。ブンデスリーガの無敗記録は、2012年から2014年にかけてバイエルンが記録した53試合。欧州5大リーグにおける最長無敗記録は、1991年から1993年にかけてミランがセリエAで達成した58試合となっている。


 「21世紀における各国リーグの最長無敗記録」(国際サッカー歴史統計連盟)は、1位がジブラルタルのリンカーン・レッド・インプスが2009年から2014年にかけて記録した『88試合』。2位がエジプトのアル・アハリで71試合(2004年から2007年)、3位はモルドバのシェリフ・ティラスポリで63試合(2006年から2008年)となっている。


◇公式戦無敗世界記録


 公式戦の無敗を『49試合』に更新し、欧州主要大会参加クラブの記録を塗り替えたレヴァークーゼンが次に狙うのは世界記録。現在の世界記録は、コートジボワールリーグのASECミモザが保持しており、1989年から1994年にかけてリーグ戦とカップ戦を合わせて脅威の「108試合無敗」を達成した。なお、元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏は、同クラブで1990年から1992年まで指揮を執っており、在任期間中無敗で記録達成に大きく貢献している。