巨人・岡本和真、ヤクルト・村上宗隆、中日・細川成也が8本塁打

首位から最下位まで3.5差にひしめくセ・リーグは、ホームランダービーでも岡本和真(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)、細川成也(中日)の3人が8本塁打で並んでいる。タイトル争いの話はまだ早いとはいえ、2021年に本塁打王を分け合ったこともある岡本と村上に、細川を加えた争いは見ものだ。

通算200号に王手をかけている村上は、今年2月に24歳になったばかりのため、清原和博が持つ24歳10カ月の史上最年少記録更新は確実。令和の三冠王にまたひとつ勲章が加わる。

ペナント争いとともに、熱いタイトル争いはファンを惹きつけるが、日本人同士の激しいデッドヒートはそう多くない。プロ野球の長い歴史を振り返っても、1950年の2リーグ分立以降、3人同時の本塁打王は昨年26本で並んだグレゴリー・ポランコ(ロッテ)、近藤健介(ソフトバンク)、浅村栄斗(楽天)が初めてで、セ・リーグでは一度もないのだ。2人が同数で本塁打王を分け合ったシーズンは下の表の通りとなっている。

2人同時の本塁打王

2021年は岡本和真と村上宗隆が39本塁打で並ぶ

直近では先述の通り、2021年に岡本と村上が39本塁打で並んだ。打点も113の岡本が112の村上を1打点上回り、二冠に輝いた。

2014年にはエルネスト・メヒアと中村剛也の西武勢が34本塁打で2人同時タイトル。2004年にはタフィ・ローズ(巨人)とタイロン・ウッズ(横浜)の両外国人が45本で並んだ。

それ以前にも1984年に37本で並んだ宇野勝(中日)と掛布雅之(阪神)、1981年に44本打ったトニー・ソレイタ(日本ハム)と門田博光(南海)など計10回ある。

ちなみに1リーグ時代は1943年に岩本章、加藤正二、古川清蔵(いずれも名古屋)の3人が4本塁打、1936年秋に藤村富美男(タイガース)、古谷倉之助(金鯱)、山下実(阪急)の3人が2本塁打で並んだ例がある。

いずれにせよ、激しく競い合うライバルの存在は、相乗効果によって、よりハイレベルなタイトル争いにつながるだろう。

1995年はイチロー、田中幸雄、初芝清が打点王

本塁打王以外のタイトルでは、1995年にイチロー(オリックス)、田中幸雄(日本ハム)、初芝清(ロッテ)が80打点で打点王を分け合った。

3人同時の打点王


投手部門を見ると、最多勝は3人同時が4度もある。

3人同時の最多勝


1988年は渡辺久信(西武)、西崎幸広(日本ハム)、松浦宏明(日本ハム)の3人が15勝。1993年は今中慎二(中日)、山本昌(中日)、野村弘樹(横浜)が17勝で並んだ。

1998年には西口文也(西武)、武田一浩(ダイエー)、黒木知宏(ロッテ)の3人が13勝。コロナ禍で開幕が6月に延期された2020年は千賀滉大(ソフトバンク)、石川柊太(ソフトバンク)、涌井秀章(楽天)が11勝で最多勝に輝いた。

長いシーズンはまだ始まったばかりだが、ペナントレースだけでなく、タイトル争いにも注目していきたい。

※成績は2024年5月13日現在

※昨年のパ・リーグは3人同時本塁打王でしたが表記が抜けていたため、「セ・リーグでは一度もない」と修正しました。お詫びして訂正いたします。5月14日18時14分

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