開幕から3カード連続勝ち越し

2023年は5位に終わった西武が開幕3カードを終えて6勝3敗でソフトバンクと並んで首位に立っている。開幕から楽天、オリックス、日本ハムと3カード連続2勝1敗で勝ち越しの好スタートを切った。

元々投手力は高評価されていたものの、3年連続2桁勝利の髙橋光成が右肩の張りで開幕に出遅れて心配された。しかし、蓋を開けると、3年目の隅田知一郎が早くも2勝、開幕投手を務めた今井達也、6年目の松本航、昨季先発に転向して11勝を挙げた平良海馬、ドラフト1位ルーキーの武内夏暉と先発陣に白星がついており、チーム防御率は12球団断トツの1.27だ。

出遅れた高橋光成も二軍戦で好投を続けており、復活は近い。当面は2連戦と3連戦で5試合しかない週が多いため、焦る必要は全くなさそうだ。

防御率とともに12球団トップの指数が被本塁打。いまだ1本も被弾がないのは西武だけだ。失点を最小限に抑えているからこそ打力の不安も解消されていると言える。

チーム打率、得点、安打、四球、犠打全てリーグ1位

課題と見られていた打力でも軒並みリーグトップの数字が並ぶ。

チーム打率.257、36得点、80安打、31四球、9犠打と全てトップタイも含めてリーグ1位。7日の日本ハム戦は今季12球団で初の2桁得点となる11点を奪う大勝だった。

昨季までの主砲・山川穂高はFA移籍したが、メジャー通算114発の新助っ人ヘスス・アギラーは打率.314、「恐怖の9番」源田壮亮が.333、10年目の外崎修汰が.297、佐藤龍世も規定打席には達していないものの.389の高打率をマークしている。

佐藤龍世は25打席で6四球を選んでおり出塁率.542、「出塁率−打率」で算出し、選球眼を示す指標「IsoD」は.153と高い。まだ打席数が少ないとはいえ、昨季、最高出塁率に輝いたソフトバンクの近藤健介でも出塁率.431、IsoD.128だった。

6番・佐藤がポイントゲッターにもチャンスメーカーにもなっており、9番・源田が早くも4犠打を決めるなど切れ目のない打線になっている。

長いシーズンで真価を問われるのはこれからだが、まずは4月12日からベルーナドームにソフトバンクを迎える3連戦が最初のヤマだろう。さらに23日からオリックス3連戦、27日からソフトバンク3連戦がビジターで続く。

昨季は4位で4月を終え、交流戦も最下位と序盤のつまずきが最後まで響いた。投打がかみ合っている今季は、今の良い流れのまま4月を乗り切りたい。“眠れる獅子”がついに目覚めるか、今後の戦いぶりが注目される。

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