先発陣はリーグトップの防御率2.03

開幕前は強力な先発投手陣を背景に上位に推す声もあった西武。しかし、蓋を開けると開幕直後こそ首位に立ったことがあるものの、5月9日現在、5位・楽天に3.5差をつけられて最下位に低迷している。11勝21敗で借金10という現状は、大方の予想もファンの期待も裏切っていると言わざるを得ない。

原因はどこにあるのだろうか。ヘスス・アギラーとフランチー・コルデロの両助っ人を欠いていることも想定外ではあるだろうが、先発投手陣は仕事をしている。

勝ち星にこそ恵まれていないものの、今井達也は防御率1.29(2勝0敗)、平良海馬は1.42(1勝2敗)、ルーキー・武内夏暉は1.55(2勝0敗)、松本航は1.91(1勝1敗)、ボー・タカハシは2.25(1勝2敗)、髙橋光成は3.00(0勝3敗)、隅田知一郎は3.11(2勝2敗)と秀逸な成績が並ぶ。

事実、先発陣の防御率は表の通り、リーグトップの2.03。投球回も1位の208.2イニングを投げながら、本塁打はリーグ最少の5本。首位ソフトバンクをも上回る好成績なのだ。

パ・リーグ先発投手成績

リリーフ陣はリーグワーストの防御率4.36

だが、逆にリリーフ陣の成績は下表の通りの惨状だ。

パ・リーグ救援投手成績


防御率4.36はリーグワースト。被打率もワーストの.269と高く、2勝11敗7セーブ33ホールドの成績も仕方ないのかもしれない。

イニング別の失点を見ると、6回以降が圧倒的に多い。最も多いのは8回の21失点で、次いで7回の17失点、6回の13失点となっており、延長も含めて6回以降で67失点もしているのだ。1回から5回までの計34失点に比べると、後半の失点が多すぎるのは明白だ。

西武の2024年イニング別失点

アブレイユは7セーブ、佐藤隼輔、本田圭佑は7ホールドも

選手別に見ると、アルバート・アブレイユは1勝2敗7セーブ6ホールド、防御率1.80をマーク。佐藤隼輔も13試合登板で7ホールド、防御率1.59、本田圭佑も14試合登板で7ホールド、防御率2.77と一定の成績を残している。

誤算は豆田泰志(防御率13.50)、水上由伸(防御率9.64)、中村祐太(防御率6.75)、甲斐野央(防御率5.63)あたりか。現在はいずれも登録を抹消されているが、いずれは名誉挽回の“奮投”が期待される。

とはいえ、課題が明確な以上、手をこまねいている場合ではない。実績のある増田達至や平井克典らが状態を上げてくれば改善できる余地はある。さらに豊富な先発陣からリリーフに回す、あるいはトレードなども含めて打てる手は全て検討する必要があるだろう。

今日10日からベルーナドームで楽天3連戦、来週末にはソフトバンクとの3連戦も控えている西武。パ・リーグを面白くするためにも5月反攻が待たれる。

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