日向坂46のグループ初となる展覧会『WE R!』が、2024年3月1日(金)から5月19日(日)まで、東京・六本木ミュージアムにて開催されている。

本展は、前身グループ「けやき坂46」(ひらがなけやき)から始まる日向坂46の歴史を辿るもの。タイトル『WE R!』には、「みんなで描くひとつの物語」という思いが込められている。全6章で構成される会場には、約120体ものメンバーたちの等身大パネルが並び、様々なポーズを取る彼女たちと一緒にこれまでの歴史を歩むことができるという、ユニークな展覧会だ。

※展示物は予告なく変更になる可能性があります。

日向坂46のドラマチックな歴史を辿る、旅のような展示

日向坂46は、欅坂46のオーディションを受けて最終審査まで残り、一度は辞退したが後に合格した長濱ねると、彼女と一緒に活動するメンバーをオーディションで集めた「けやき坂46」からスタートしたグループである。紆余曲折の中、メンバーたちが苦労と葛藤を抱えながら成長する姿が多くの人の心を掴み、東京ドーム公演という快挙を果たしたのちに、「日向坂46」と改名して新たに活動をスタートさせた。本展は、日向坂46のドラマチックな歴史を辿る構成になっており、時系列順になっている全6章を通して、彼女たちが歩んできた山あり谷ありの物語を実感することができる。

第1章「突然の旅人」

第1章「突然の旅人」

各章にはボリュームたっぷりの年表も展示されており、この時期にはあのコンサートがあった、あのメンバーが卒業した、テレビやラジオの番組が始まった、あの楽曲をリリースした……などと思い返しながら、日向坂46の歴史を振り返ることができる。年表には彼女たちのコメントやCDジャケットのビジュアルなどもあわせて掲載されている。

第4章「頂きのヒル・クライマー」年表

第4章「頂きのヒル・クライマー」年表

第5章「未来を見つけに行く人」年表

第5章「未来を見つけに行く人」年表

メンバーたちとともに巡っていく展示

本展で印象に残るのは、会場のさまざまな場所にあるメンバーたちの等身大パネルだろう。特に第3章「上昇気流の少女たち」の演出はダイナミックで、ブースに足を踏み入れると、まるでライブの一幕のようなポーズを取る彼女たちに出迎えられる。

第3章「上昇気流の少女たち」

第3章「上昇気流の少女たち」

「WE R!」のフラッグを掲げる彼女たちの表情は、笑顔だったり真剣だったり、ときには変顔をつくっていたりもするが、いずれも前向きで清涼感がある。どんなに面白いポーズを取っていても、さすがはアイドル。所作の一つひとつがびしっと決まっている。それぞれのパネルがメンバーたちの個性や魅力を反映しているので、彼女たちが持っている魅力や物語を想像することができる。また、会場には約120体ものパネルが並んでいるので、「推しを探して見つけ出す」という楽しみも味わえる。

第6章「日向坂46」

第6章「日向坂46」

ちなみに本展は写真撮影OK。会場全体の照明がドラマチックで展示品もカラフルなので、思い出になる1枚を収めよう。メンバーと一緒に写真が撮れるフォトスポットも充実している。

第4章「頂きのヒル・クライマー」

第4章「頂きのヒル・クライマー」

そのほかにも、「僕なんか」ヒット祈願で制作されたパネル、ファーストアルバム『ひなたざか』のリリース企画としてメンバーが心を込めて制作したてるてる坊主、「日向坂46 デビュー1周年記念 生配信!」におけるSNS告知のメッセージカードなど、彼女たちを身近に感じられる展示品も数多い。

フォトスポットのパネル裏。当時のメンバーからのメッセージやサインが。

フォトスポットのパネル裏。当時のメンバーからのメッセージやサインが。

ファーストアルバム『ひなたざか』リリース企画のてるてる坊主

ファーストアルバム『ひなたざか』リリース企画のてるてる坊主

「日向坂46 デビュー1周年記念 生配信!」SNS告知メッセージカード

「日向坂46 デビュー1周年記念 生配信!」SNS告知メッセージカード

会場の最後にあるフラッグには、熱い想いやまっすぐな心を示すメッセージが。日向坂46のこれまでの歩みを振り返り、未来へ向かって突き進む……そんな希望に満ちた内容なので、見逃さずにチェックしよう。

第6章「日向坂46」展示風景

第6章「日向坂46」展示風景

貴重な資料も一挙に公開

会場展示された、MVやCDジャケットといったクリエイティブの制作過程が見られる資料なども見逃せない。MVの絵コンテやダンスフォーメーション資料、衣装関連の資料、CDの企画書や文字デザイン検討案、ヒット祈願企画の品々、サイン入りポスターなど、貴重な品が一挙紹介されている。

『君しか勝たん』ミュージックビデオ 衣装CAD資料

『君しか勝たん』ミュージックビデオ 衣装CAD資料

左:アルバム『脈打つ感情』ヒット企画キャンペーン サイン入りポスター

左:アルバム『脈打つ感情』ヒット企画キャンペーン サイン入りポスター

シングル『Am I Ready?』ヒット祈願企画 だるま

シングル『Am I Ready?』ヒット祈願企画 だるま

特に第6章「日向坂46」には、ライブやMV、イベントや番組などの衣装がずらりと並ぶ。衣装はステージ上のマネキンが着用しているほか、天井からも吊り下げられており、圧巻だ。カジュアルな服やフリルを多用した可愛らしいワンピース、シンプルで清楚な制服やゴージャスなドレスなど、雰囲気はそれぞれ異なるがどれも趣向を凝らしてあり、メンバーたちの魅力を存分に引き出している。いずれも実際に着用されたものだという。

第6章「日向坂46」

第6章「日向坂46」

第6章「日向坂46」

第6章「日向坂46」

日向坂46の歴史を語り、魅力を余すところなく伝え、一人ひとりの個性を示す本展は、キャッチーでスタイリッシュな雰囲気に満ち、会場すべてがフォトスポットといえる充実した展示だ。明るく元気でひたむきな日向坂46の展覧会『WE R!』は、5月19日(日)まで、東京・六本木ミュージアムにて開催中。

文・写真=中野昭子