女優松岡茉優(29)が7月期のフジテレビドラマ「ギークス/GEEKS(仮)」(木曜後10・00)に主演する。警察署勤務の女性3人による物語で、田中みな実(37)と滝沢カレン(31)が共演する。

 決まって金曜日に居酒屋に集まる3人が、会話の中で難事件解決への道筋を見つけてしまうというコメディー。いずれも優秀だが、人間関係に難を抱えるクセ強のキャラクター。松岡は優れた観察眼と記憶力を持つ鑑識官、田中は人の心が読める産業医、滝沢が町の地理に精通した交通課員をそれぞれ演じる。

 こうした「女性3人モノ」はドラマ界の一つのトレンドだ。メインキャストに3人の女性を据えた作品が多く制作されており、昨年は日本テレビ系「彼女たちの犯罪」など、現在もTBSで「9ボーダー」が放送中だ。

 背景について民放のドラマ関係者は「2017年の日本テレビ『東京タラレバ娘』のヒットが一つのきっかけ」と指摘。吉高由里子、大島優子、榮倉奈々が共演した同作は、タイプの異なる女性3人のリアルな心情を描いたドラマとして高く評価された。その後、女性3人モノのドラマが増えており、同関係者は「女性3人を描くと会話劇になりやすい。女性は女子会に参加しているようで共感しやすく、男性には女子会をのぞくような新鮮さを与えられる。これが人気の要因では」と話している。

 時代の変化も影響した。民放のドラマプロデューサーは「米倉涼子さんや天海祐希さんのような圧倒的な存在感で作品を引っ張るタイプの女優が若手にあまりいない」と話す。一方、描かれる女性像も変化しており「自立したスーパーウーマンを描く作品から、大衆が共感できる女性を描く作品が多く作られるようになった」と話している。

 令和の新潮流となった「女性3人モノ」。今作は抜群の演技力で人気の松岡に、女性の支持が高い田中と滝沢が絡む。3人がどんな化学反応を起こすか注目だ。

 ≪田中みな実、滝沢カレンと「痛快」事件解決≫

 タイトルに使われている「GEEK(ギーク)」は卓越した知識や技術を持つ人を指す言葉だが、転じて「社会に適応できない者」という意味が含まれており、“オタク”とも訳される。主人公の鑑識官はジグソーパズルオタク。頭は切れるが人との距離感に厳しく、泥くさい刑事の世界や古くさい警察組織の体質から一線を引く異質な存在だ。

 田中演じる産業医は人の心を読み取る心理分析のプロで、滝沢演じる交通課員は町の地理が全て頭に入っている地理オタク。3人が異なる知識や武器を駆使しながら、あらゆる事件を解決していく。

 コミュニケーション下手ゆえの恋愛や人間関係のトラブルなど、こじらせた女性たちの日常も見どころ。松岡は「人としての温度はちょっと低めな彼女たちですが、なんだかんだ巻き込まれながら事件を解決していく姿が痛快です」とPRした。