今年3月に行われたピン芸人日本一決定戦「R―1グランプリ2024」で、史上初のアマチュア芸人として決勝に進出した「どくさいスイッチ企画」が、勤務先の会社を退職し、フリーの芸人として再出発を切ることになった。26日、自身のX(旧ツイッター)で公表した。今後は5月中旬をメドに現住所の大阪から関東へ移住。芸人として活動する一方で演劇、コント、ドラマなどの台本や脚本などの執筆業にも意欲を示した。

 「R―1」ではツチノコを発見した男の半生を描くネタで、お笑いファンに衝撃を与えた「どくさい」。大方の予想を覆し、本戦では最終決戦に惜しくも届かなかった4位と大健闘だった。その経験は本人にとってもあまりに大きく、「今後もお笑いをやっていきたい、もっと強くお笑いをやっていきたい」という思いを強く持つ機会となった。

 しかし、会社員とお笑い芸人としての活動という二重生活にはどうしても限界が生じていた。R―1の前に行ったスポニチのインタビューでも「覚悟がなくて芸人の道は選ばなかったんですが、まさか決勝に進出してしまうとは…」と揺れる気持ちを吐露していた。

 決勝での大ブレイクは結局、揺れる思いから決断に変わり「周囲に相談の上、退職という選択に至った」という。すでに勤務先は3月末で退職。当面は「正社員雇用ではありませんが東京でお仕事をいただけた」と報告し、今よりもお笑いに大きく比重をかけた活動を続ける予定だ。

 一方で、36歳という自身の年齢もかんがみ「お笑いのみで食っていくのは厳しいと感じている」と冷静に自己分析。これまでアマチュアながら数々の演劇やコントなどの脚本や台本を書いていることもあり、執筆業にも進出して、様々な角度でエンターテイメントの世界に参画したい考えを示した。

 「肩書を“アマチュア”から一旦“コントができるフリーランス”に移行したいと思っています」とフリーの芸人への道を選んだ「どくさい」。今後は「精一杯頑張って、この選択を良いものにします」と意気込んでいた。