元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂(57)が10日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)に出演。東京都新宿区のタワーマンション敷地内で住人の女性(25)が刃物で刺され死亡し、殺人未遂容疑で職業不詳和久井学容疑者(51)=川崎市=が逮捕された事件について言及した。

 女性の傷は、首や腹を中心に数十カ所あった。傷は背中にもあり、司法解剖の結果、死因は外傷性ショックと判明した。押収された果物ナイフ2本に襲撃で使った痕跡があり、警視庁新宿署は執拗に襲ったとみている。同署は9日、和久井容疑者を殺人容疑で送検し、自宅を家宅捜索した。和久井容疑者が「声をかけると逃げたので追いかけて襲った」と供述していることも分かった。

 事件は8日午前3時10分ごろ発生。和久井容疑者は女性が以前経営していたガールズバーの客だった。事件前日の7日夜からマンション付近に止めた車で待ち伏せし、コンビニから出てきた女性に声をかけたと話している。「金を貸していて、返してもらうつもりだった」「経営を応援するため店で金を使ったり渡したりした。バイクや車を売って工面した」とも供述しており、署は詳しい経緯を調べる。和久井容疑者は女性に付きまとったとして、2022年5月にストーカー規制法違反容疑で逮捕され、同年6月から1年間、自宅や店に近づかないようストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていた。

 一茂は「金銭問題が絡んでいても、ベースに民事不介入の原則があるので、どこまで警察が踏み込んでいけるかというところで、いつもこういう事件が起きるんですよ。だから、米国なんかは、ちょっとスタッフの方に調べていただいたんですけれども、本当に飲酒運転とか配偶者への暴力者レベルでGPS装置を使って位置確認して犯罪を防いでいるというのがあります」と説明。「ただ日本において言うと、人権の問題とか出てくるので、どこまで踏み込めるのかなっていうのがあるんですけど、そのレベルまでいかないと防ぎようがない部分が警察にとってもあるので限界があると思う」と自身の考えを話した。