俳優の舘ひろし(74)が、20日深夜に放送された日本テレビ「夜明け前のPLAYERS」に出演。渡哲也さんとの思い出話を語った。

 番組MCで経済学者・成田悠輔氏とのトークで「演技」について話題が及んだ際のこと。舘は「僕は俳優としては、それほど優秀じゃない。他の俳優さんを見ていると、皆さんうまいなと今でも思う」と話し、演技について勉強したことも「全くない」と断言した。

 その理由は「昔、渡さんに一度言われたことがあるんです。石原プロはみんなそうなんですが、“最近、お前は芝居がうまいぞ”と怒られたことがあるんです」。先輩から学んだのは「うまくなっちゃいけない」。「だから、みんな“下手”じゃないですか。石原さんも渡さんも」と振り返った。

 例えば、1979年放送開始の大人気ドラマだった「西部警察」。爆破シーンなど演出で圧倒した部分もあるが、これを舘は「内容はほとんどない。内容はない、つじつまは合っていない。でも、波止場で海をバックに2人が歩いて来るのを撮っているだけで、面白いとみんな納得しちゃう。その力、2人の持っている存在感の力はすごかった」と、石原裕次郎さんと渡哲也さんの存在感が芝居を上回っていたと語った。

 その精神を受け継いでいるのか、と成田氏に聞かれると、舘は「受け継いでいるのかは分かりませんが、方向としては同じですね。芝居はそんなにうまいとは思っていない」と、演技力以上に大切にしているものを明かした。

 若いころは台詞が覚えられなかったという舘だが、「すごい長い台詞でしたね、と褒められて俳優が喜ぶのは違うと思いますね。どんなに長い台詞でも本気になって覚えれば、覚えれられる。一番大事なのは、それをどう表現するか、だと思う。どう伝わるかが大事なんじゃないかな」と視聴者への伝わり方について持論を語っていた。