世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が6日、東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)と対戦。6ラウンドにKO勝ちを収め、4団体タイトルの初防衛に成功した。

■「ネリには感謝しています」

試合は序盤から終始、近距離での激しい打撃戦となった。

第1ラウンド、瞬き厳禁の近距離での打ち合いの最中、井上はネリの左フックでまさかのダウン。会場からはどよめきが起こった。井上はラウンド終盤、ネリの打撃を避けながら笑顔を見せた。

第2ラウンドでは、井上がお返しとばかりに、ネリの顔面に左フックを直撃させダウンをとり返した。

第4ラウンドでは井上が足を止め、ガードを下げてネリを挑発する一幕も。会場からは大歓声が上がるも、ネリは挑発には乗らず。ネリは顔面を赤く腫れさせ、ボディが効いているのか動きが鈍くなり始めた。

第5ラウンド、ロープを背負った井上が再び左フックでネリから2度目のダウンを奪う。第6ラウンド、ポール際に追い詰めたネリの顎に右を命中させると、ロープに突っ込む形でネリが3度目のダウン。ネリは堪らずマウスピースを吐き出し、井上のKO勝ちとなった。

井上は試合後のマイクで「1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか?」と会場に問い掛け、「(ダウンを受けて)ボクサーということで、燃え上がるところがあるので、非常にハイテンションで試合をしました」とダウンを振り返った。「ネリには感謝しています」と、因縁のある対戦相手のネリにも感謝の言葉を述べ、握手を交わした。