卓球の「サウジスマッシュ2024」は10日、女子シングルスの準決勝が行われ、世界ランキング5位の早田ひなは同4位の陳夢と対戦。0−4で敗れ、ベスト4で敗退。今大会の日本勢は全員が姿を消すことになった。

■早田は4強入りでエースの働き

WTTの最高峰に位置づけられる今大会は、パリ五輪出場も想定される強豪が参戦。2月の「世界卓球団体戦」で銀メダルを獲得し、中国勢を追い詰めた日本女子陣の戦いに注目が集まった。

早田はシングルスと混合ダブルス(張本智和とのペア)でベスト4に進出。シングルスの準決勝では陳夢に敗れたものの、日本のエースとしての働きをこなした。

また、世界ランキングを8位に上げてきた張本美和(木下グループ)、同13位の平野美宇(木下グループ)に立ちはだかったのも陳夢。前者は準々決勝、後者はラウンド16でそれぞれ敗れており、今大会世界2位の王曼昱(中国)と五輪シングルスの出場をかけて争う立場の前回五輪女王が、圧巻の日本勢3人斬りを果たすことになった。

■団体戦でカギ握るダブルス

また、平野と張本は女子ダブルスにも参戦。パリ五輪の団体戦でのペアも想定される両者にはダブルスでも勝ち上がりが期待された。

しかし、1回戦で戦ったリウ・ヤンズー(オーストラリア)、呉詠琳(香港)の国際ペア相手に第1、2ゲームを奪われるなど苦しい展開に。第3ゲームこそ取ったものの精彩を欠いたプレーが続き、1−3で「シンガポールスマッシュ」に続く初戦敗退となった。

パリ五輪団体戦においてはダブルスがカギを握るとされており、ライバルである中国、韓国勢が決勝に勝ち進んだ。男子は戸上隼輔(井村屋グループ)、篠塚大登(愛知工業大学)ペアが互いを補完し合う好連携で決勝に進出しただけに、女子のダブルスが国際大会でいかに経験を積んで高いレベルを維持できるかは課題となってくる。

パリ五輪まであと2カ月強と迫ってきた。中国勢を倒しての金メダル獲得にも期待がかかる日本女子陣がどのようにチームを強化し夏の大舞台へ挑むのか。

張本美和、平野美宇(C)WTT