ウェルファムフーズ(本社:東京都千代田区、野村和伸代表取締役社長)は23日、宮城県遠田郡涌谷町に建設した「宮城事業所 新工場」の竣工に伴い、竣工セレモニーを執り行った。

宮城県内における唯一の大規模食鳥処理場として、同社銘柄鶏の宮城県産「森林どり」をはじめ、鶏肉および鶏肉一次加工品、深絞りパック製品、IQF製品などを生産する。既存工場(石巻市)は5月11日が最終稼働日となり、翌12日から新工場への移転・移設工事を開始し、31日から操業を開始する予定。日産4万羽を当初の目標に、将来的には同6万羽に対応できる建屋を建設していく。

ウェルファムフーズ・野村和伸代表取締役社長

セレモニーの冒頭、野村社長は「東日本大震災や経年劣化による施設の老朽化に伴い、2011年以降、新工場計画の構想が立案された。この間、候補地を断念したこともあったが、涌谷町での建設案がスタートし、涌谷町や建設会社、機械メーカーの方々の協力をいただきながら、無事に本日を迎えることができた。今後は涌谷町に貢献できる事業を実施しながら、地元の人に愛される、またこの会社で働いてみたいと思われる会社になっていけるよう尽力していく」とあいさつした。

また、新工場について「建屋の屋根に太陽光パネルを設置して太陽光発電による自家発電を行うほか、エコキュートの導入、自然冷媒・グリーン冷媒への移行など、環境に配慮した設計となっている」と説明した。

来賓では、涌谷町の遠藤釈雄町長、宮城県北部地方振興事務所の稲村伸所長が祝辞を述べた。セレモニーでは、ウェルフェムフーズ・野村社長、丸紅・武智康祐常務執行役員食料・アグリグループCEO、涌谷町・遠藤町長、宮城県北部地方振興事務所・稲村所長、前田建設工業・幡鎌裕二執行役員副社長、前川製作所・前川真代表取締役社長執行役員、プライフーズ・藤井伸一代表取締役社長――によるテープカットが行われた。

同日、仙台市の仙台国際ホテルで祝賀会が開かれ、丸紅の武智常務が「世の中の情勢に目を向けると、終わりの見えないウクライナ情勢や緊張の高まる中東情勢、分断が深まる米中関係、また昨今では急激な円安による輸入商品の高騰が懸念される状況となっている。畜産業界をはじめ、日本を取り巻く環境は行く先が不透明な状況だが、今後も丸紅グループの力を結集し、この新工場から食の安定と安心、そしておいしいものを届けていきたい」とあいさつした。

続いて、日本食鳥協会の佐藤実会長が「新工場では、『多様化するさまざまなニーズに応えられる設備を有し、人と環境にやさしい持続可能な社会に貢献できる食品工場をめざす』とのこと。まさに次世代への展望が夢膨らむ工場ではないかと大変期待している。また、ウェルファムフーズは宮城県の畜産業の発展に貢献し、涌谷町の地域振興を担う企業として安心安全でおいしい国産チキン、ならびに加工品の生産に尽力していただけることはもちろん、国産チキン業界全体にとってかけがえのない推進力になっていただけることに感謝申し上げる」とあいさつした後、乾杯の音頭を取り懇親に入った。

〈畜産日報2024年4月25日付〉