4月に行われたアジア予選で代表決定戦を制し、パリオリンピックへの切符を手にした高知市出身のレスリング清岡幸大郎選手に、夢舞台に向けた思いを聞きました。

中川哲記者:「オリンピック内定おめでとうございます!」
清岡幸大郎選手:「ありがとうございます今のところは変化なく、ほんとに出るのかなという感じなんですけど」

レスリング65キロ級の清岡幸大郎選手。高知市出身の23歳です。
2001年4月12日生まれ、4月19日にキルギスで開催されたアジア大会で、代表決定戦となる準決勝を制し、見事パリオリンピック出場を決めました。

清岡幸大郎選手:「とりあえずほっとしたというか、しっかり決めきることができてよかったというのと、その日はすぐ切り替えてパリに向けてまた頑張っていかないといけないな、という気持ちが出てきた」

代表をつかむまでの道のりは決して順風満帆ではありませんでした。2023年6月の代表選考会では東京オリンピックの金メダリスト乙黒拓斗選手が優勝。清岡選手のパリへの道は絶望的と思われましたが…

清岡幸大郎選手:「負けてしまったんですけど、心の底では必ずチャンスが舞い込んで来るというふうに考えてて…そしたら世界選手権で乙黒選手が権利を取らずに帰ってきたので、よーし来た!っと思って」

2023年12月、再び代表選考会が開かれることになったのです。
清岡幸大郎選手:「必ず俺がオリンピックの予選に出る。アジア予選に出場して権利を取る。自分がオリンピック選手になる存在だ、というのを絶対にその芯だけはぶれないように(試合に臨んだ)」

乙黒選手をはじめ、これまで勝てなかった強豪選手から勝利を奪い、アジア予選に出場。そしてオリンピック代表の座を勝ち取ったのです。

高知出身で先にオリンピック出場を決めた桜井つぐみさんは高知南高校の同級生です。二人は3歳でレスリングの道を歩み始めました。

清岡幸大郎選手:「自分たちが生まれる前から、親同士も知り合いだったので、幼なじみというか、お互いにチームメイトではあるけど、ライバルというか、身近にこういう選手がいるのはすごくありがたいことというか、これからもオリンピックに向けてお互いに切磋琢磨しあいながら頑張っていきたい」

中川哲記者:Qパリが決まった時つぐみさんと話した?
清岡幸大郎選手:「おめでとうというメッセージと、パリでは一緒に金メダルを取ろうとお互いに声を掛け合った」

二人のオリンピック選手を育てたのはつぐみさんの父で、高知レスリングクラブの桜井優史監督です。愛弟子がパリへの切符を手にした瞬間をネット配信で見守りました。

桜井優史監督:「なんとかパリの舞台に立たせてやりたい思いで応援していました。実際にそれが現実となった時には本当に良かったなという気持ちで、ほっとしました」

多彩なタックルから相手を倒し、ポイントにつなげるのが得意な清岡選手ですが、最大の強みは大一番で発揮するずば抜けた集中力です。

桜井優史監督:「すごく強い相手に対して、急にほんとに強くなって覚醒したような活躍を見せる時があります」

中学3年生の時に出場した国体ではインターハイチャンピオンを倒したり、高校2年生で出場した全日本選手権では大学チャンピオンを破る大金星を上げました。

桜井優史監督:「今の時点の幸大郎の力で行くと、パリで金をとるのはなかなか厳しいと思うんですけど、ほんとに強い相手に対してこちらの予想以上というか、期待以上の頑張りをするのが清岡幸大郎の一番いい所だと思うんで、これまでの全てをしっかりマットの上で出して、最後は笑顔で大会を終えてもらいたい」

3歳でレスリングを始め、夢に描いた舞台が現実に。この夏、パリで幕を開けます。

清岡幸大郎選手:「アジア予選の試合なんかを見ると、まだまだ金メダルには遠い位置にいると感じているので、ほんとにここからまたギアを上げて練習に取り組んで、必ず自分が優勝して表彰台の一番高い所に上がってるんだと確信を持って、マットに立てるように頑張りたい」